「モデルチェンジ」で復活へ=異業種で変わるモーターショー〔潮流底流〕

 2年に1度の自動車の祭典「東京モーターショー」が24日に開幕する。ここ数年、来場者が減り、多くの海外メーカーが参加を見送る中、主催者の日本自動車工業会は電機メーカーや通信事業者など異業種の参加を促進。「モーターショーのモデルチェンジ」を図り、2007年以来12年ぶりとなる100万人の来場者を目指している。

 ▽競争激化が影響

 過去20年の東京モーターショーを振り返ると、海外ブランドは05年に30ブランドが出展したが、今回はわずか5ブランド。自動運転や電動化など、次世代技術をめぐる研究開発競争が世界的に激しさを増し「モーターショーへの投資を考え直す時に来ている」(関係者)ことが主な理由だ。

 日本で人気のあるドイツBMW、フォルクスワーゲンは09年以来、10年ぶりに出展を見送った。BMWはモーターショーの開催時期に合わせ、別途、新型車の発表会を開くという。

 出展を見送ったフランスのプジョー・シトロエン・ジャポンは18日から「六本木ヒルズ」(東京都港区)で新型車3台の発表・展示イベントを開催。クリストフ・プレヴォ社長は「モーターショーで車好きの人を待つのか、大勢の人がいる(商業施設などの)場所で(新型車を)アピールするのか」を比較し、後者を選んだと話した。

 一方、出展を決めたメーカーからは「各社の選択と集中はあるだろうが、スルーは残念」(大極司ルノー・ジャポン社長)との声も上がる。大極社長は「われわれの車を見てもらえるチャンスは非常に貴重だ」とモーターショーの意義を説明。日本での販売が好調なメルセデス・ベンツ日本の上野金太郎社長も「少しでもブランドに触れてほしい」と参加理由を語った。

 ▽オールジャパンで盛り上げ

 モーターショーの存在感低下を指摘する見方が増える中、自工会会長を務める豊田章男トヨタ自動車社長は、来場者100万人の目標を掲げた。「(モーターショーは)オールジャパンの力で未来をつくる良い出発点になる」と考えたためだ。「自動車を中心に、ものづくり企業が集まれば未来を軸にしたお祭りができる」と、車の展示にとどまらない技術発信の場に変えたい意向だ。

 実現に向け、異業種企業の参加を働き掛けたことで出展企業・団体は前回の約150から約190に拡大。「増加分の大半は異業種」(自工会)となり、初出展したパナソニックやNTTは独自の映像技術などを展示する。

 「とにかく人を集めたい」(豊田氏)との掛け声の下、各自動車メーカーの若手社員らが企画立案に関わり、子どもの職業・社会体験施設「キッザニア」も初めて出展。家族連れでも楽しめるよう工夫を凝らし、高校生以下の入場料も初めて無料化した。

 自工会副会長の神子柴寿昭ホンダ会長は「産業を越えて企業が連携し、多様なプログラムを楽しんでもらいたい」と話し、自動車ファン以外の取り込みでイベントが再び活況を取り戻すことに期待を示した。

【了】

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