「クルマ暴走」想定の救助訓練が増加 もし事故現場に遭遇したら我々はどうすべきか?

「クルマが暴走し、多数のけが人が出た」という想定の救助訓練が増えています。近年、高齢ドライバーによるアクセルとブレーキの踏み間違い事故も目立っていますが、理由はそれだけではないようです。

「SC駐車場で暴走車が20人をはねた」想定

 クルマの「暴走」を想定した消防の救助訓練が増えています。2019年11月13日(水)には、岐阜市消防本部が市内のショッピングセンター駐車場で実施。10月には愛知県犬山市でも同様の訓練が行われました。

 今年4月、東京・池袋で高齢ドライバーのブレーキとアクセルの踏み間違いによる暴走事故が発生し、11人が死傷。大きく報道されましたが、東海地方では9月に、名古屋市の金山駅南口で75歳のタクシードライバーが7人をはねるなど、同様の事故が全国で相次いでいます。

 岐阜市の訓練は、こうした状況を受けて実施されたもので、暴走したクルマが買い物客を次々とはね、20人ほどのけが人が出たとの想定。負傷の程度により治療の優先度を決める「トリアージ」の手順確認、医師などとの連携訓練、各部隊の任務確認などが行われました。

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事故車のイメージ(画像:写真AC)。

 誤りによる暴走に限らず、故意の場合も想定し、訓練が行われることもあります。2019年5月に福島市消防局などが福島駅前で実施した訓練では、暴走行為がテロによるものか、ドライバーの操作ミスによるものかを最初に判定することも含めて、対応を確認したそうです。

「2020年の『東京オリンピック・パラリンピック』では福島市内でも競技が行われ、外国人も多数訪れることから、外国人の負傷者や、外国人からの通報への対応にも重点を置いて訓練しました。テロあるいは操作ミスのケースも含め、このような事故はどこでも起こり得るでしょう」(福島市消防本部 警防課)

 実際にこのような現場へ居合わせた場合、どうすればよいのでしょうか。前出の岐阜市消防本部は、「目撃したらまず119番通報をお願いします。その際、『10人以上が倒れている』など、ある程度詳細な情報をいただけると、体制を整えやすいのでありがたいです」と話します。

【了】

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コメント

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1件のコメント

  1. 車外被害者の救命と救急への通報。
    現場周辺の安全の確保と警察への通報。
    公的機関が到着するまでの現場の動画記録。

    嫌なことだが、加害車両関係者による証拠隠滅の抑制。