日本主導の開発形態焦点=「将来戦闘機」、来年度開発着手―米英協力も・防衛省

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防衛装備庁とIHIが「将来戦闘機」のエンジンに求められる技術獲得を目指して開発を進める戦闘機用の国産エンジン「XF9」の試験用エンジンファン。空力データ取得のための試験で使用された=2018年11月、東京都内

 航空自衛隊のF2戦闘機の後継となる「将来戦闘機」について、防衛省は来年度の開発着手に向け、詰めの調整を進めている。2020年度予算の概算要求では開発費を明示しない事項要求だったが、年末の予算編成で具体的な金額を示し、政府案をまとめる。政府筋によると、開発費とは別に関連の研究事業費として約320億円も計上する見通し。どこまで開発形態を固めることができるかが焦点だ。

 日本主導で初の国産ステルス機の開発を進めるが、高度な戦術ネットワーク機能など米軍との相互運用性も求められ、日本だけで完結するのは難しい面もある。一方で国内の防衛産業基盤の維持も必要で、設計構想策定に時間がかかっている。来年も米英と交渉を継続する見通しだ。

 F2は35年ごろから退役。防衛省は後継機の開発期間を15年と見込む。政府が昨年決めた中期防衛力整備計画は「国際協力を視野に、わが国主導の開発に早期に着手する」と明記。先進技術獲得の研究成果をベースに着手する方針だ。

 防衛省は総合的な検討課題として、(1)航空優勢の確保(2)人工知能(AI)技術を適用した情報処理能力や、ステルス機を探知するセンサーなど次世代技術と拡張性(3)日本独自の判断で能力を向上させる改修の自由(4)国内企業の関与(5)開発・取得コスト―の5項目を列挙。

 防衛装備庁は三菱重工業や東芝、富士通、IHIなどと先進技術を研究。ステルス機を探知する最先端の素子を使った高出力小型レーダーや高推力エンジン、機体の軽量化などの研究に取り組んできた。IHIは昨年、米空軍のステルス戦闘機F22に匹敵する最大推力15トン以上のエンジン試作品を防衛省に納入した。

 同省は戦闘機が任務を遂行する上で、根幹の機能となるレーダー、センサー、電子戦装置を制御するミッションシステムに拡張性を持たせる研究などの事業費を20年度予算案に盛り込む。

 機体の運用構想も検討されている。昨年官邸主導で最新鋭ステルス戦闘機F35を105機追加取得することが決まり、F35との役割分担が設計上の課題になっている。

 一方、日本との共同開発に関心を持つ米英企業に対しては、どのような開発が可能か情報提供を依頼。米ロッキード・マーチン社やボーイング社、英BAEシステムズ社から回答を得た。

 対日技術移転が可能になった場合に、プログラムが「ブラックボックス化」され改修の自由が奪われないよう、どこまで情報が開示されるかや、開発費・製造分担率などが課題となる。

【了】

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