事実隠蔽難しい航空事故調査=敵味方識別装置などの不具合か―ウクライナ機撃墜

 イランで発生したウクライナ機墜落で、ミサイルの誤射が原因であることを一転して認めたイラン。航空事故調査にかかわったことがある専門家は「国際ルールに基づく調査が行われれば、事実を完全に隠蔽(いんぺい)することは難しく、ミサイル発射が事実であれば、いずれは認めなければならない状態にあった」と指摘する。

 運輸安全委員会出身の専門家によると、事故調査は、国際民間航空機関(ICAO)の規定に基づき、事故発生国のほか、航空機運航国、機体製造国の3者が共同で行うことになっている。今回も、ウクライナの調査団が事故翌日に現地入りし、イラン事故調査当局、航空機メーカーの米ボーイングと共に調査を進めた。

 原因解明に重要な役割を果たすフライトレコーダー(DFDR)などはイラン側が回収したが、装置の所有権は航空会社などにある。調査が終了すれば返還しなければならない性質のもので、イラン側が手順やルールを守る限り、ミサイル誤射の証拠を完全に隠すのは難しい。

 自衛隊出身の別の専門家は「ミサイル発射が墜落原因だとすれば、バラバラになって地上に落ちた破片など、DFDR以外にも証拠は残っていたはず」とした上で、「不可解なのは、なぜ誤射が起きたかだ」と話す。

 この専門家は「敵対関係にない外国の航空機や自国機が多数発着する国際空港の周辺は、軍事的緊張が高まった際、自走式地対空ミサイルを周辺に配備するなどして警戒を強化することはある。ただ、民間機の誤射防止には細心の注意を払うはずだ」と首をかしげる。

 ミサイルは、旅客機などに取り付けられたトランスポンダーと呼ばれる装置からの情報を基に、敵味方識別装置で「敵」「味方」「不明」の区別をした上で発射される。専門家は「意図して発射したのでなければ、トランスポンダーまたは敵味方識別装置が正常に作動していなかった可能性がある」と話している。

【了】

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