米航空大手、迫る大規模人員削減=与野党対立で政府支援遅れ

 【ニューヨーク時事】米航空大手が10月に大規模な人員削減を計画している。新型コロナウイルス感染拡大に伴う旅行需要低迷の長期化が見込まれるためで、ユナイテッド航空は2日、1万6370人を一時帰休にする計画を明らかにした。11月の大統領選をにらんだ与野党対立で、政府の追加経済対策の決定が遅れており、新たな雇用支援がなければ各社は実施に踏み切る方針だ。

 米メディアなどによると、ユナイテッドの削減対象はパイロット、客室乗務員などで、新型コロナ流行前の従業員数の2割近くに当たる。アメリカン航空グループも約1万9000人を削減する計画だ。パイロット削減を打ち出したデルタ航空も含めた大手3社の削減人数は、計3万7000人規模に上る。

 背景には航空需要の回復が遅れていることがある。米国内空港の保安検査場の通過人数は、4月に前年同月比で1割以下に落ち込んだが、8月に入り3割程度まで回復。ただ、その後は足踏み状態で、「10~12月に国内便の旅客輸送は半減する」(アメリカン航空)とみられている。

 トランプ米政権は3月の経済対策で、航空会社従業員の給与支払いのため、補助金を含む500億ドル(約5兆3000億円)の支援を決定。9月末まで強制的な人員削減を禁じ、雇用維持を図ってきた。

 米政権と議会は、追加経済対策をめぐる協議を本格化させ、航空業界への支援も検討している。ただ、対策の規模をめぐって与党共和党と野党民主党が対立し、議論は停滞。「深刻な隔たり」(民主党幹部)が残り、「9月末までにまとまらない恐れも出てきた」(日系金融機関)という。

 トランプ大統領は1日、航空会社への追加支援を明言したが、具体策への言及はなく、先行きは不透明なままだ。

【了】

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