紀勢本線(ただし紀伊田辺以北の紀北・紀中地区)・阪和線の現況を225系電車を中心に。①②紀勢本線湯浅駅を出る和歌山発御坊行きです。225系5000番台１次車です。この両線運用の2＋1列オール転換クロスシート車は、東海道・山陽線系統の2＋2列オール転換クロスシート車の０・100番台と区別して、5000・5100番台を名乗ります。列車種別の¨普通¨の左横の¨Ｗ¨は近畿地区の路線別記号で、Ｗが紀勢本線、Ｒが阪和線、Ｏが大阪環状線です。③④同じく湯浅駅に到着する紀伊田辺発和歌山行き普通列車で、同5000番台２次車＝5100番台です。前照灯・尾灯の目付き(？)が変わり、列車が・行き先表示がフルカラーLEDになっています。阪和線103系淘汰に伴い、大量投入されました。⑤⑥同じく到着する特急「くろしお」14号白浜発新大阪行き289系電車です。⑦湯浅駅⑧阪和線三国ヶ丘駅、奥が天王寺行き普通、手前が和歌山行き普通です。225系5100番台で、天王寺行き4連は先頭車間転落防止幌がありますが、手前６連は増解結しないのでありません。⑨同線鳳(おおとり)駅です。左手は⑧の和歌山行き普通、中央は天王寺行き普通、右端は羽衣支線東羽衣行きワンマン列車です。あのスカイブルーの103系の牙城だった阪和線がよもやこんな状態になろうとは、隔世の感しきりです。ここ鳳には103系が集っていた車庫があります。⑩同線日根野(ひねの)駅です。ここから関西空港行きの関西空港線が分岐し、関西空港系統と和歌山系統の快速が分割・併合します。左手は223系による大阪環状線へ直通する、ズバリ¨直通快速¨です。ここには阪和線・紀勢本線の普通列車の車両を管理する吹田総合車両所日根野支所(旧日根野電車区)があり、阪和線の一大拠点です。⑪車庫から出場、関西空港駅まで回送され、新大阪・京都方向特急「はるか」の一番列車となる編成です。

紀勢本線道成寺(どうじょうじ)駅とそこから500m程のところにある現存する和歌山県最古の古刹天音山道成寺です。①②通過する特急「くろしお」1号283系¨オーシャンアロー¨編成新大阪発新宮行きです。引退間近い381系特急「やくも」と並ぶJR西日本では数少ない振り子式車両です。こちらも撤退の噂があります。①は新宮方向先頭車非貫通のパノラマ型グリーン車です。③④和歌山発紀伊田辺行き普通列車です。117系4連です。⑤⑥駅舎です。昭和5年開業で、１日平均乗車人数は100人前後です。⑦県最古のお寺で、大宝元年(701年)創建です。安珍と清姫の悲恋の物語とそれを題材にした舞踊は歌舞伎や能楽の演目「道成寺物」としてよく知られています。⑧仁王門と⑨三重塔⑩本堂です。この本堂は南北朝時代の1357年再建ですが、701年創建以来二代目で、650年＋650年計1300有余年、この敷地は一度も風雨にさらされていません。⑪宝物殿に祀られてある国宝本尊千手観音菩薩立像です。実物は撮影禁止ですので、絵葉書から。⑫到着する紀伊田辺発和歌山行き普通列車です。丸目の前照灯は関西国際空港開業(1994年)時に投入された223系０番台です。⑬道成寺駅はもちろん無人駅で、⑫の車内で乗車券購入です。⑭紀伊由良～広川ビーチ間の車窓で、彼方に見える海は太平洋です。ここ広川町は安政の大地震津波時に、稲むらの火で多くの村人を高台に誘導し救った実話で知られています。

特急「くろしお」補稿です。「くろしお」と言えば電車化されて381系の新車が一気に投入され古臭さが一掃され「しなの」とともに振り子電車の双璧を成していましたが、今となっては風前の灯火、いつ消えて無くなるかもしれない絶滅危惧種です。その振り子電車283系オーシャンアロー編成です。①貫通扉車と②イルカを模したとされるパノラマグリーン車です。右側は関空特急「はるか」で、いずれも阪和線三国ヶ丘駅にて。