イタリアも入るの? 空自の次期戦闘機開発への参画に関心のワケ さらに多国籍に?

イタリアの国防相が日本の次期戦闘機の開発に参画する意欲を示しています。アメリカ、イギリスの参画はほぼ確実となっていますが、さらに多国籍になる可能性も。ただ、イタリアの参画はある意味必然ともいえます。

イタリアの参画はむしろ当然?

 同盟国であるアメリカと、近年アジア太平洋地域への関与を強め、事実上の準同盟国となりつつあるイギリスと次期戦闘機の開発で協力することは、何ら不思議ではありませんが、イタリアは友好国ではあるものの、こと防衛面での協力に関してはそれほど濃密とは言えない関係です。その国防相が次期戦闘機の開発参加に関心を示したことに、驚かれた方も少なくないかと思いますが、筆者(軍事ジャーナリスト:竹内 修)はある理由から、むしろ当然であると感じました。

 その理由は、イギリスが開発計画を進めているFCAS(将来航空戦闘システム)と、その中核となる有人戦闘機「テンペスト」の開発方針にあります。

 イギリスはFCASとテンペストの開発にあたって、日本と同様に自国主導で開発する方針を打ち出していますが、その一方で開発費と開発に伴うリスクを低減するため、開発計画の発表時から外国に対して、共同開発への参画や技術協力を求めていました。

 イタリアは2020年12月にイギリスとの間で、現在両国が運用しているユーロファイター・タイフーンを後継する戦闘機(航空戦闘システム)について、対等な立場で研究や開発を機協力していくための覚書に調印しています。

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防衛(国防)相会談を行ったイタリアのロレンツォ・グエリーニ国防大臣(左)と岸 信夫防衛大臣(画像:防衛省)。

 イタリアがどのような形でFCASとテンペストに参画していくのかは、まだ具体的には決まっていませんが、共同開発への参画ということになった場合、おそらくエンジンやレーダーなどでテンペストと共通化が図られる可能性が高く、次期戦闘機とも自ずから関係性が生じるというわけです。

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