猫は今も「軍艦の乗組員」!? ネズミ捕りの専門家だけじゃない「船乗り猫」たち 幸運すぎる伝説の猫も!
2月22日は猫の日と呼ばれていますが、かつて軍艦の貴重な船員だったこともあります。それらの猫は「船乗り猫」と呼ばれ、船内のネズミを駆除するという重要な任務を帯びていました。
人間と一緒に船に乗った猫たち
2月22日は猫の鳴き声「にゃん・にゃん・にゃん」にちなんで、日本では「猫の日」とされています。ペットとして人気の猫ですが、軍艦などにおいては、かつては貴重な「船員」でした。
軍艦などで猫は「船乗り猫」と呼ばれ、船内のネズミを駆除するという重要な任務を帯びていたのです。
歴史に初めて船乗り猫が登場したのは約8000年前のエジプトです。当時の壁画に、エジプト人がボートに猫を乗せてナイル川の茂みにいる鳥を捕まえにいく様子が描かれています。このときは害獣駆除というよりは、鳥の捕獲のために飼われていたという説があります。
明確に猫が害獣駆除のために乗せられるようになったのは、紀元前8世紀に地中海の交易を担う商人の間で広まったことがきっかけといわれています。7世紀ごろには、北海やバルト海方面にも伝播し、同海域の海賊であったヴァイキングが猫を乗せていました。日本でも7世紀ごろより、仏教の経典を大陸から運ぶ船などに猫が乗っていたといわれています。
なぜ船乗り猫が必要だったかというと、当時は木製の帆船だったことが関係しています。ネズミは帆を張るためのロープや船体の木材をかじってしまいます。また、人のために備蓄している食料も食べてしまうので厄介な存在だったわけです。そこで、船内に隠れ住んでいるネズミなどを捕獲する“プロ”である猫が、人間にかわり駆除任務を代行していました。
近世以降、大型帆船や蒸気船が登場し、各国で常備海軍が編成されるようになると長期間を海上で過ごす船が多くなり、猫の役割はさらに増大します。それまでの交易船のみならず、海軍の軍艦や探検船などにも船乗り猫が同行することになったのです。
時代が進み、石炭や重油によって鋼鉄製の軍艦を動かすようになっても、その役割は続いていました。近代以降はネズミが多くの伝染病を媒介することが知られるようになったほか、艦が金属製になっても配線をかじられ、航行に支障が出る可能性があったからです。
また、猫の役割も“多様化”します。主な任務であるネズミ捕りのほかにも、艦船の守り神になったり、船員のメンタルをサポートするマスコット的存在として、あるいは艦内の様子を伝える広報担当として、任務を兼任する猫も多くいました。
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