昭和の遺物か「信号機のゼブラ板」いまや激減 しかし稀に新設されるのはなぜ?

日本全国の数ある信号機の中には、ゼブラ柄の板が取り付けられた信号機があります。以前に比べその数は減っているようですが、そもそも何のためのもので、そしてなぜ減っているのでしょうか。

消えゆく懐かしの風景か その目的は?

 道路上の車両用信号機に、灯器を取り囲む形でゼブラ柄の板が取り付けられていることがあります。この板は、正式には「背面板」というものですが、なぜ付けられているのでしょうか。
 
 最大の理由は、信号機の視認性を高めるためです。登場したのは、電力事情が不安定だった戦後復興期で、暗く点灯する信号機を目立たせる目的で取り付けられるようになりました。

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長崎県大村市に設置されているゼブラ柄の背面板が付いた信号機(乗りものニュース撮影)。

 その後、電力事情が安定し、信号機そのものも性能向上により特に存在感を増す必要もなくなると、維持管理や重量の観点から撤去が進みます。背面板付きの信号機は、付いていないものと比べて、風の影響を受けやすく、吹く力が強いと揺れてしまい危険なのだとか。ほかにも、ゼブラ柄の色は法令で「緑と白または黄と黒」と、派手なカラーリングにすることが規定されているため、景観にそぐわないというのもあるようです。
 
 背面板は信号機にネジで取り付けられているため、面倒があると余計に取り外されやすいのだとか。特に昨今は、薄型のLED信号機が設置されることが多くなっているため、新たに取り付けられることは激減しています。

 とはいえ、まったく不要というわけではなく、ケースバイケースで設置される場合もあるのだとか。

 いまでも新たに設置されるケースというのは、やはり信号機の視認性を高めたい場合です。たとえば、信号の設置間隔が短いために、誤って奥の信号に目がいってしまうような交差点において手前の信号の存在を強調したり、強い西日で信号の色が見えづらくなったりするのを防ぐ場合です。信号機の色の見間違いや、見えにくくなるのを防止するため設置されています。

 ちなみに、警察庁の資料によると、2023年3月時点における全国の車両用信号機127万灯のうち、約71%の約90万灯がLED式だといいます。今後、ますます信号機のLED化が進むのは間違いありませんが、新しい道路が開通した関係などで、LED信号に背面板が付けられることも、ごく稀にあります。

【了】

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