橋はあるのにみんな船通勤!? しまなみ海道の下の「渡し船銀座」1日数百往復!
広島県尾道市では、本土と海峡を隔てた向島とのあいだで、渡し船が頻繁に運航されています。50年前に島への橋ができたにもかかわらず、渡船はいまも欠かせない地元の足。本数もスゴイです。
サイクリングに聖地巡礼 渡し船はますます重要に
しまなみ海道では基本的に、橋に自転車歩行者道が併設されており、尾道から自転車で四国まで縦断する観光客が近年増えています。2014年から自転車の通行料が無料(2019年3月末まで)になったことも人気に拍車をかけ、楽天トラベルの調査による2017年の「サイクリングが楽しめる旅先ランキング」では、1位が「今治・しまなみ海道エリア」、3位が「尾道・しまなみ海道エリア」と、サイクリストのあいだでしまなみ海道の人気が高まっているのです。
しかし、しまなみ海道でも新尾道大橋には自転車歩行者道が併設されておらず、並行する尾道大橋も歩道部が狭いため、しまなみ海道を縦断するサイクリストには、尾道~向島間で渡船の利用が勧められています。2017年には700万人近くの観光客が尾道を訪れるなか、渡船の重要性も高まっているといえるでしょう。
ちなみに、尾道には「映画の街」としての側面もあります。特にその存在を知らしめたのは、尾道出身の大林宣彦監督が1980年代に制作した「尾道三部作(『転校生』『時をかける少女』『さびしんぼう』)」、1990年代に制作した「新・尾道三部作(『ふたり』『あした』『あの、夏の日』)」でしょう。ほとんどの作品で尾道の渡船が登場しているため、ロケ地やゆかりの地を巡る「聖地巡礼」で渡船に乗る観光客も少なくありません。
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※記事制作協力:風来堂、oleolesaggy
しまなみ海道が開通した頃って、各航路が下火になる予想は付いていただろうが、後にこういった「サイクリストの聖地」として渡船の利用が見直されることになるとは誰が思っただろうか!