安全運行を妨げる台風の接近 鉄道が影響を受ける雨と風の強さはどのくらい?
台風の強い風と雨は鉄道の安全運行を妨げるため、一定の基準で徐行、運転見合わせなどの措置が執られます。風雨がどれぐらいの強さになると、鉄道は影響を受け出すのでしょうか。
電線の揺れや鳴りも参考に
7月としては過去最大級とされる台風8号が、日本列島に接近しています。はたしてどの程度の風雨を観測すると、鉄道の運行に影響が出るのでしょうか。
まず風について。強風のなかを走行すると列車が風に煽られ、脱線転覆するおそれがあります。そのため基準となる瞬間風速を観測した場合、安全性を考えて徐行や運転見合わせといった措置が執られます。
JR在来線の場合、瞬間風速20m/s以上で列車の速度制限を行います。そして25m/s以上で運転見合わせです。新幹線についても20m/s以上で段階的に速度制限、運転見合わせが行われます。
私鉄の場合は、瞬間風速25m/s以上で運転見合わせになる会社が多く見られます。都営地下鉄と東武、小田急、東急は25m/s以上で運転見合わせです。東京メトロは20m/s以上で東西線が、25m/s以上で全線が運転見合わせになります。
西武は瞬間風速20m/s以上から速度制限が始まり、30m/s以上で運転見合わせになります。
京成と京急は瞬間風速25m/s以上で速度制限、30m/s以上で運転見合わせ。京王は15m/s以上で速度制限、25m/s以上で運転見合わせです。
この台風で70m/s以上の瞬間最大風速が予想されている沖縄のモノレール「ゆいレール」では、15m/sで速度制限、25m/sで運転見合わせです。70m/sはとてもではありませんが、鉄道を安全に運行できる状況ではありません。
気象庁によると、瞬間風速がおおよそ20m/sになると電線が鳴り始めることが多いそうです。電線の揺れが強くなってきたら、音が鳴り出す前に家路を急いだほうが良いかもしれません。もちろん状況によって一概には言えませんので、あくまでご参考までに。
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