路線バス車内に「茶室」! 障子、畳、ポールは竹!? 「宇治茶バス」の内装がスゴイ

車内に「茶室」をしつらえたというコンセプトの路線バスが京都府内で運行中。窓は障子風、シートは畳風、さらにポール類は茶室の柱のように竹を模した造り。このバス車内で実際にお茶をたてることも可能だそうです。

「黄金の茶室」をバス車内に

 宇治市など京都府南部地域を走る京都京阪バス(京都府八幡市)のバス路線で2019年3月下旬から、「車内に茶室をしつらえた」という「宇治茶バス」が運行されています。

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茶室をモチーフにしたという「宇治茶バス」の内装(画像:京都京阪バス)。

 バスの車体には、茶摘みの風景や茶壷のイラストをラッピング。横開きの中扉のガラスは障子風、車体左後方の側窓は、木製の格子とハート型の窓を配置したようなデザインになっています。このハート型の窓は、京都京阪バスによると、宇治田原町にある正寿院の「猪の目(いのめ)窓」がモチーフとのこと。

 内装はさらにユニークです。床や壁は木目調で、シートの座面には畳のような模様が。一部のポール類には、茶室の柱に使われる竹を再現したようなカバーも取り付けられています。「猪の目窓」が設けられている最後部の左側は、鉄道でいうボックス席のような向かい合わせのシートで、そのあいだにテーブルを配置。さらにその付近には「茶」の字を書いた掛け軸までかかっています。

 京都京阪バスは「宇治茶バス」について、「全部、印刷です」としたうえで、内装は「豊臣秀吉が造らせた『黄金の茶室』がモチーフ」だといいます。誕生の背景を京都京阪バスに聞きました。

――なぜ「宇治茶バス」を造ったのでしょうか?

 京都南部の特産である宇治茶をアピールすべく、「お茶の京都DMO」(宇治茶のブランド化などに取り組む一般社団法人)とともに企画しました。鉄道では内装に凝った列車がありますが、バスでそれをできないかということになり、「バス車内に茶室をしつらえる」というコンセプトに至りました。かつ、近年は正寿院の「猪の目窓」が観光客に人気であることから、茶室の「猪の目窓」越しに景色を眺められるようにしたのです。資金については、府の茶業会議所とJA京都やましろに協力を仰いで援助いただきました。

【写真】降車ボタンも特注品! 「宇治茶バス」の内装

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コメント

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1件のコメント

  1. よく頑張ったな!事前審査とは本来審議に時間をかけて内容濃くやるもんだからね、窓の強度となると車を見たところKVかLVのディーゼル車かな?おそらくは型式に改が付くとすれば税制面で優待は無いのかな?
    本来は中ドアのあるような路線や緩和規準のバスは中ドアの設置で元々補強済みですからね。
    しかしバスで茶会とは実に面白い!