特急はJRだけじゃない! 独自の運転網を築く「近鉄特急」の世界
JR以外では日本一の路線長を誇る近鉄。その特徴のひとつが、ほぼ全線を網羅している特急ネットワークです。その魅力に迫ります。
戦前までさかのぼれる「名阪特急」
大阪・京都・奈良の各都市に路線網を広げる近鉄(近畿日本鉄道)。その路線は近畿一円から名古屋や伊勢志摩にも伸び、営業キロは501.1km(ケーブルカーを含む)と、JR以外の民営鉄道としては日本一の規模です。これらの路線は、大都市近郊では最大10両編成で通勤通学客を運ぶ一方、都市間の中距離移動や観光客輸送、そして山間部に住む人々の大切な足として、さまざまな役割を果たしています。
そんな近鉄の大きな特徴は、主要路線のほとんどで特急列車が運転されていることです。
「近鉄特急」と言われてまず思い浮かぶのが、大阪と名古屋を結ぶ通称「名阪特急」です。その歴史は古く、1938(昭和13)年にさかのぼります。当時、この区間はまだ関西急行電鉄、参宮急行電鉄、そして大阪電気軌道の3社に分かれており、線路幅が違うことから途中で乗り換える必要がありました。それでも、大阪~名古屋間を3時間強で移動できること、そして当時は特急料金が不要だったことから、大いに利用されました。
1941(昭和16)年、大阪電気軌道と参宮急行電鉄が合併し、関西急行鉄道となったのに続いて、1944(昭和19)年には南海鉄道とも合併し、近鉄が発足します。戦後になり、同社は名古屋線(近鉄名古屋~伊勢中川)の線路幅を変更して、大阪や伊勢方面へ直通できるようにすることを決定。約80kmにもおよぶ工事の準備が進められていました。ところが、その最中だった1959(昭和34)年、伊勢湾台風が日本を襲い、近鉄名古屋線は甚大な被害を受けます。そこで近鉄は、翌年に予定していた改軌工事をこの復旧工事に合わせて行うことを決定。同年11月に工事を完成させ、翌月から特急列車の直通運転を開始しました。1961(昭和36)年には、伊勢中川駅に大阪方面と名古屋方面を結ぶ中川短絡線が完成。いったん伊勢中川駅に停車して進行方向を変える必要がなくなり、さらなるスピードアップが可能になりました。
近鉄特急はなかなかセンスが良くて快適。
ビスタカーは現在少なくなった。
あれの2階席は車輪の騒音が少なくて静かだし、階下席は、ホームすれすれの目の高さなので、男性には大変目の保養になると評判の席でした。今は団体客専用になっておりますね。
何故かはなんとなく想像がつきます。