幻になった「京阪電車の梅田行き」 いまなお残るその痕跡(写真11枚)

関西大手私鉄の多くは「キタ(梅田)」か「ミナミ(難波)」の繁華街にターミナルを設けていますが、京阪電鉄はどちらにも乗り入れていません。しかし、かつては梅田への乗り入れ計画があり、その痕跡が意外な場所に残っています。

現在の京阪線から1km以上離れた場所

 大阪市の中心部を一周する、JR西日本の大阪環状線。その桜ノ宮~京橋間に「京阪電鉄乗越橋」があります。

Large 20181222 01
梅田にも難波にも乗り入れていない京阪電鉄だが、かつては梅田に乗り入れる計画があった(2017年5月、恵 知仁撮影)。

 しかし、京阪電鉄の線路はここから約1.3kmも離れたところにあります。過去に京阪電鉄が運営していた廃止路線が、ここをくぐっていたという事実もありません。にもかかわらず、なぜJR線の橋りょうが「京阪電鉄」を名乗っているのでしょうか。

 京阪電鉄はかつて、「キタ」こと大阪の梅田に乗り入れようとしていたことがありました。この「京阪電鉄乗越橋」は梅田乗り入れ計画の名残です。

 京阪電鉄は明治末期の1910(明治43)年、大阪市内の天満橋にターミナルを置き、淀川の左岸(南東側)を通って京都に至る路線を完成させます。これが現在の京阪本線です。さらに同社は大阪~京都間に「ライバル鉄道」が参入しにくいよう、淀川の右岸(北西側)を通る新線(新京阪線)も計画。先に開業した京阪本線の天満橋ターミナルを起点に北上し、淀川の右岸にわたって京都方面に向かうことが考えられました。

 鉄道省(現在の国土交通省)は1919(大正8)年、京阪電鉄に対して新京阪線の営業を許可しましたが、このころ、大阪(梅田)~京橋~天王寺間の国鉄城東線(現在の大阪環状線)を高架化する計画も浮上していました。そこで京阪電鉄は、新京阪線のターミナル予定地を天満橋から梅田に変更。ルートの一部は城東線の高架化が完了したあとに残る、地上線の敷地を使うことにしました。

 大阪の繁華街のひとつとして発展していた梅田に乗り入れれば、利用者も増えます。また、城東線の地上線敷地を購入できれば、一般の民家や商店を撤去して線路を建設するよりは安上がりというメリットもありました。

この記事の画像をもっと見る(11枚)

最新記事

コメント

2件のコメント

  1. 土地勘がない人間にとって、この記事は読みにくい。

    文章の合間に地図をのせてくれた方がもっと読みやすくなるのでは?

  2. ほお

記事ランキング

  1. ロシア軍の戦闘機が「真正面から撃破される瞬間」を捉えた映像が公開 ドローンの突入を防げず
  2. 海自の潜水艦が発射した魚雷が「揚陸艦へ突進」 雷跡を上空から捉えた珍しい写真が公開される
  3. 片山さつき大臣「実態調査はじめます」 街のクルマ屋の「保険代理店打ち切り」問題に新局面 ビッグモーター事件の余波に再び切り込む!
  4. 「海自最大の護衛艦」と「世界最大級の軍艦」が洋上で並んだ! 圧巻の編隊航行を上空から捉えたショットが公開
  5. 海自艦がロシア海軍の「超静かな潜水艦」を確認!浮上航行する姿を捉えた画像を防衛省が公開
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  3. ロシア軍の戦闘機が「真正面から撃破される瞬間」を捉えた映像が公開 ドローンの突入を防げず
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 航行中の護衛艦「かが」の周辺に「巨大な海洋生物」が出現! 艦艇勤務ならではの光景を海自公式が公開