日本の宿命? 地震による高速道の盛土崩落 欧米より突出して多い利用率
大きな地震が発生すると、しばしば高速道路の盛土が崩落、通行止めになることがあります。日本では欠かせない構造で、実は欧米より突出して多い盛土。ある意味、地震災害に強い面もあります。
なぜ「盛土」が必要なのか?
2016年4月14日(木)に発生した熊本地震で、福岡と鹿児島を結ぶ九州自動車道は盛土法面(もりどのりめん)が崩落するなどの被害が生じ、通行止めになりました。
高速道路の盛土は、大地震によってしばしば崩落しています。記憶に新しい事例としては、2009(平成21)年8月の駿河湾地震による東名高速牧之原SA付近(40メートルの区間が崩落)、2011(平成23)年3月の東日本大震災による常磐道・水戸~那珂IC間(150メートルの区間が崩落)があります。
この盛土、そもそもどのような構造なのでしょう。
盛土とは文字通り、「土を盛り上げて作った築堤」です。地表面に土を盛り、その上に道路を通すわけです。
ただ土を盛っただけでは、経年とともに地盤の沈下を招きますから、まず必要に応じてサンドパイル(地面に砂を柱状に打ち込む)で水を抜くなどして地盤を改良したのち、土を盛って締め固め、その上に道路を造っています。盛土部には排水パイプを埋め込むなどして、土中の水分量が増え過ぎないようにされます。
盛土が必要な主な理由は、高速道路の下に一般道路や水路を通すためです。地表面にそのまま高速道路を建設すると、一般道や水路はそこで遮断されます。しかし盛土をすれば、その下にあらかじめカルバート(コンクリート製の覆い)を造っておくことで、容易に往来を確保できるのです。
地盤沈下しないように、土の中に軽いEPS(発泡スチロール)を入れた盛土区間がどこかにあると聞いたのだか。その後普及してないのか?