消えゆく「公団ゴシック」 高速道路独特のあの書体

「公団ゴシック」使用終了の背景にあった特有の事情

「公団ゴシック」は、長年にわたり全国で使われたことから、問題を抱えるようになりました。標識メーカーそれぞれが製作し続けてきたため、文字ごとのばらつきが著しく、フォントとしての統一感に欠けていた、というものです。また、字画を省略しすぎて、正字かどうか疑わしい字が散見されたこともあります。

 日本で高速道路が誕生した当時は、いまほどフォントの選択肢がなかった時代。高速道路で必要なフォントは、1字ずつ必要に応じて作るしかありませんでした。

 しかしデジタルフォントが普及した現在では、視認性に配慮したフォントも登場。1字ずつ個別にデザインしていた「公団ゴシック」を使い続けるよりも、販売されているフォントを導入するほうが効率的になってきました。

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「公団ゴシック」の標識(上)と「ヒラギノフォント」などを採用した新標識のイメージ。「越」「山」は特に違いがわかりやすい(画像出典:SCREENホールディングス)。

 そこで2010(平成22)年、NEXCOの3社が標識用の新フォントとして、和文に「ヒラギノW5角ゴシック体」、アルファベットに「ビアログミディアム」、数字に「フルティガー65ボールド」を採用しました。

 これらの新フォントは現在、新たに設置される標識や老朽化して交換される標識に使われています。つまり、「公団ゴシック」の標識はいまあるものだけで、今後、新たに作られることもないことを意味しており、NEXCO中日本は「当然、より減っていくことになる」と話します。

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コメント

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5件のコメント

  1. 面白い記事でした。フォントの違いは気付きませんでした。

  2. おお、ぱんかれさんが乗りものニュースに!

  3. 俺もあのごつい書体は好きだった。今の書体は普通過ぎてつまらん。

  4. 「GD-高速道路ゴシックJA-OTF」
    もう何年も前から使ってる(笑)
    宛先にこのフォントを使って送ると、分かる人には分かるらしく、フォント名を聞かれる。
    漢・ひら・カナは「GD」
    数字はナンバープレートフォントの「TRM JB」を使う。

  5. この画像よく選んだね!!
    「環」という字が昭和のころの書き方で、現在とは微妙に違うんですよ。つくりの縦棒が跳ねているんです。