消えゆく「公団ゴシック」 高速道路独特のあの書体

消えつつある「公団ゴシック」、しかし意外な形で進化中?

 そんな消えゆく「公団ゴシック」ですが、独特のビジュアルに魅力を見いだし、手作りでそれを再現したフォントがあります。「ぱんかれ(pumpCurry)」さんによるフォント「GD-高速道路ゴシックJA-OTF」です。2005(平成17)年に製作が始まったフォントは現在、1893文字が公開されています。

 フォント作りにはさまざまな苦労や発見があるといいます。ぱんかれさんによると、標識の文字は、「隣り合う文字」にも配慮して直線や曲線が構成されているとのこと。たとえば「東京」と「京都」の「京」の字は実は違いがあるなど、同じ文字でも何種類か存在している場合があるそうです。

 しかしパソコン用のフォントにした場合は、同じ文字は基本的にひとつだけ、加えてどの字が隣に来るかはユーザー次第という「標識だったら本来ありえない」状況になります。そのため、バランスの取り方ルールを独自に定め、どの文字が隣に来てもなんとなく馴染むよう、文字ごとに調整を行っているそうです。

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「GD-高速道路ゴシックJA-OTF」の文字。独特の字形や線画の省略が再現されている(乗りものニュース編集部作成)。

 現在、諸事情でフォント製作を見直しているものの、「もうまもなく、新たな文字の公開を再開したい」(ぱんかれさん)とのこと。

「新しい字の公開は(いまは)止まっていますが、開発はやめておらず、可能ならすべての字の製作が終わるまで、死ぬまで携われたらな、と思っています。映画の字幕の文字のように、高速道路のこの標識文字も、みんなのすぐそばにあった、身近な文字だったんだよ、というのを、後世にのこせていけたらな、と思っています」(ぱんかれさん)

 NEXCO中日本によると、道路標識の耐用年数は「20年」とのことですが、これはあくまで資産上の目安。実際は設置環境などに左右されるため、標識の“寿命”は一概にはいえないそうです。

 ただ、標識が更新されるにつれて「公団ゴシック」を目にする機会が将来的に減っていくことは事実。今後、高速道路を利用するときは、味わい深いあのフォントの標識を意識して“鑑賞”し、目に焼き付けておくのもいいかもしれません。

【了】

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コメント

5件のコメント

  1. 面白い記事でした。フォントの違いは気付きませんでした。

  2. おお、ぱんかれさんが乗りものニュースに!

  3. 俺もあのごつい書体は好きだった。今の書体は普通過ぎてつまらん。

  4. 「GD-高速道路ゴシックJA-OTF」
    もう何年も前から使ってる(笑)
    宛先にこのフォントを使って送ると、分かる人には分かるらしく、フォント名を聞かれる。
    漢・ひら・カナは「GD」
    数字はナンバープレートフォントの「TRM JB」を使う。

  5. この画像よく選んだね!!
    「環」という字が昭和のころの書き方で、現在とは微妙に違うんですよ。つくりの縦棒が跳ねているんです。