神楽坂「逆転式一方通行」のナゾ 時間で変わる通行方向、誕生の背景に大物政治家の影?
東京の神楽坂では、一方通行の方向が時間によって逆転するという、珍しい交通規制が敷かれています。ある政治家が自邸から国会議事堂まで通いやすいようにしたため、という説もささやかれますが、実際のところはどうなのでしょうか。
昭和30年代からの規制
一方通行の方向が時間によって逆転する道路が東京に存在します。一般に「神楽坂」と呼ばれる、東京メトロ東西線の神楽坂駅(東京都新宿区)付近から飯田橋駅に至る区間を中心とした、早稲田通りの一部です。
神楽坂駅付近の矢来第二交差点から、外堀通りに接続する神楽坂下交差点(飯田橋駅前)のあいだは、0時から12時まで神楽坂を下る方向に一方通行ですが、12時から0時までは、反対に坂を上る方向へ一方通行となります。神楽坂下交差点から外堀通りを挟んで南へ、千代田区富士見の九段中等学校前交差点までのあいだも、同じ時間帯、同じ方向に一方通行が切り替わり、規制区間は合計して1km以上にわたります。なお、外堀通りを挟んで神楽坂側は牛込警察署、富士見側は麹町警察署の管轄です。規制の理由を牛込署に聞きました。
――なぜ一方通行の方向が時間により変化するのでしょうか?
午前は都心方向へ向かう車両が多く、午後は逆になることから実施しています。当署では1961(昭和36)年5月から始めました。
――規制が切り替わる時間帯に、相互の方向へ走るクルマが正面衝突するような危険はないのでしょうか?
神楽坂区間の入口と出口など、主要な箇所に大型の内照式標識(内側から光る標識)を設置し、視認性を高めています。また、昼間に方向が切り替わる12時から13時までのあいだ(月~土。日曜・休日は区間と時間が拡大する)は、神楽坂(神楽坂上交差点~神楽坂下交差点)を歩行者専用道路としてクルマを通れないようにしているほか、夜は各所で標識の切り替えタイミングをずらし、相互通行にならないよう配意しています。
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