77%で法令違反 貸切バス会社への抜き打ち監査 86事業者は改善未着手

2016年1月に発生したスキーツアーバス転落事故を受け、国土交通省は貸切バス事業者に対し抜き打ちの監査を実施。その結果、事業者のおよそ77%に法令違反が確認されたことがわかりました。

適性検査の未受診も約2割が該当

 国土交通省は2016年4月28日(木)、全国310の貸切バス事業者に対して実施した抜き打ち監査の結果、77.4%にあたる240の事業者で何らかの法令違反を確認したと発表しました。

 監査は今年1月15日(金)に長野県軽井沢町で発生したスキーツアーバス転落事故を受け、国土交通省が1月19日(火)から3月中旬に緊急対策として行ったものです。

 それによると、60の事業者(19.4%)で拘束時間・連続運転時間の超過や休息時間の不足など、運転者の過労防止に関する措置が不適切である「乗務時間等告示の遵守違反」がありました。

 また、雇用時や定期の健康診断を受けさせていない「運転者の健康状態の把握違反」は53の事業者(17.1%)で、「運転者の適性診断(高齢・初任・事故惹起者)の未受信」は64の事業者(20.6%)で、「適正な運賃・料金の収受違反」は72の事業者(23.2%)で確認されています。

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国土交通省の集中監査の結果、96の事業者(31.0%)では運行指示書の作成などにおいて法令違反が確認された(写真出典:parus/photolibrary)。

 国土交通省は何らかの法令違反が確認された240の事業者に対し、監査実施日に改善指示書を交付。その結果、4月27日(水)現在で、およそ半数の122の事業者は法令違反項目のすべてを改善した一方、32の事業者は安全に関わる主な法令違反に対し改善中、86の事業者は改善に着手していませんでした。同省は未改善の項目がある事業者に対し継続的に呼出監査などを行い、5月中旬までにすべてを改善するよう指示。今後についても、行政手続法の手続きを経て、厳正に行政処分を行うとしています。

【了】

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