こんごう型後継のイージス艦にも搭載か 日本の空まもる高性能レーダー 「ココがスゴイ」をロッキード・マーティンに聞いた〈PR〉

日々脅威度が高まる日本周辺の安全保障環境。それに対応するため、最新鋭の高性能戦闘艦である「イージス・システム搭載艦」が海上自衛隊に配備されます。じつは、その戦闘能力のキモとなるのが、搭載する高性能レーダーである「SPY-7」です。その性能やメリットなどについて、これを製造するロッキード・マーティン社の幹部に伺いました。

海自の最新鋭艦に搭載される「超高性能レーダー」とは

 現在、日本を取り巻く安全保障環境は日々その厳しさを増しつつあります。たとえば、核・ミサイル開発を着々と進める北朝鮮や、海洋進出を強める中国は、日本を含めた周辺諸国とのあいだで軍事的な緊張関係を高めつつあります。そして、これらの国々が共通してその能力を伸ばしつつあるのが、各種長射程ミサイルです。弾道ミサイルや巡航ミサイル、さらに最近では新たに開発が進められている極超音速兵器など、さまざまなミサイルが開発され、次々と部隊への配備が進められています。

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イージス・システム搭載艦のイメージ(画像:防衛省)

 こうしたミサイルの脅威に対して、日本では防空能力の強化が進められています。その施策のひとつとして注目されているのが「イージス・システム搭載艦(ASEV)」です。ASEVは、海上自衛隊が運用予定の最新鋭水上戦闘艦で、高度な防空戦闘システムであるイージス・システムを搭載し、多数の垂直発射装置(VLS)を有するなど、比類なき戦闘能力を誇ります。合計2隻の建造が計画されており、1番艦は2027年度、2番艦は2028年度にそれぞれ就役予定です。

 このASEVには、日本として初めて採用する最新鋭の装備品が搭載される予定となっています。なかでも注目されているのが、アメリカの大手防衛関連企業であるロッキード・マーティンが開発した最新鋭レーダーであるSPY-7の搭載です。このSPY-7に関して、筆者(稲葉義泰:軍事ライター)は同社のチャンドラ・マーシャル副社長兼ジェネラルマネージャーにお話を伺いました。

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ロッキード・マーティンのチャンドラ・マーシャル副社長兼ジェネラルマネージャー(有馬孝則撮影)

 SPY-7は「サブアレイ・スイート」と呼ばれる小型の電波送受信モジュール装置を組み合わせることで、ひとつの大きなレーダーを構成しています。そのためSPY-7の場合には、搭載する艦艇のサイズや運用者のニーズに合わせて、そのサイズを自在に変更できると、マーシャル氏は説明します。

「SPY-7には、各国向けにサイズや構成が異なるバリエーションが存在しますが、サブアレイ・スイートは共通です。これが共通の構成要素であり、各バリエーション間で異なるのはそれを収めるための『ロッカーボックス』と呼ばれる外装構造のみです。われわれはサブアレイ・スイートを『レーダーの頭脳』と呼んでおり、求められる探知感度などに応じてその数を変更することで運用者のニーズに対応しています」

 また、レーダーを稼働中でも、背面からサブアレイ・スイートを交換することで故障に対応する「ホットスワップ」が可能であるなど、運用中の維持整備に関しても従来のレーダーと比較して優れた特徴を有しているとのことです。

従来のレーダーとココが違う! SPY-7の優れた性能とは

 さらに性能面に関して、SPY-7は当然、従来のレーダーを大きく上回っています。マーシャル氏によると、現在海上自衛隊のイージス艦に搭載されているSPY-1Dレーダーと比較して、ASEVに搭載されるSPY-7は探知距離が約3.3倍、弾道ミサイル防衛(BMD)時の目標捜索範囲が約20倍、そして防護可能なエリアは約10倍に拡大しているといいます。SPY-1Dの探知距離は370km程度とされているため、つまりSPY-7はそれよりもはるか先にある目標を探知できることになります。

 加えて、SPY-7では「多重偏波(polarization diversity)」と呼ばれる最新のレーダー技術が用いられています。これは、複数の方向に振動する電波を送受信することにより、従来よりも多くの情報を取得できるというもの。マーシャル氏によると、これによりSPY-7は優れた探知・識別性能を発揮することが可能になるといいます。

「SPY-7において多重偏波を用いているのは、既存のレーダーと比較して『目標識別精度の向上』を実現するためです。多重偏波技術は、もともと気象レーダーの分野で雨粒やひょうなどを区別するために用いられてきました。これを防衛用途に高いレベルで応用することにより、『脅威となる対象』と『友軍または無害な対象』とを、極めて高い精度で識別することが可能になるのです」

 そしてマーシャル氏は、SPY-7が当初から多重偏波技術を用いるレーダーとして設計されていることが重要だと指摘します。

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アメリカのニュージャージー州にある、ロッキード・マーティンの施設で試験される海上自衛隊のイージス・システム搭載艦用のSPY-7(画像:ロッキード・マーティン)

「重要なのは、この技術を実現するためにはレーダーの設計段階から物理的に必要な構造を、いわばハードウエアレベルで組み込んでおかなければならないということです。つまり、ソフトウエアの更新などでこれを後から付加することはできないのです」

 さらに、SPY-7は搭載するソフトウエアによって電波の送受信をコントロールしたり、探知した物体に関する情報処理を行ったりしています。そのため、ハード(レーダーを物理的に構成する部品)に変更を加えることなく、ソフトウエアをアップデートすることでレーダーの能力を向上させられると、マーシャル氏は説明します。

「SPY-7はフルデジタル化されているため、ソフトウエア定義されたレーダーとして、ソフトウエアの更新だけで能力向上を実現することが可能です。たとえば、直面する脅威の変化に応じた検知アルゴリズムなどを改良することで、幅広い脅威に対応することができるのです」

 つまり、スマートフォンをわざわざ買い替えなくても定期的なアップデートにより新機能を使えるのと同様に、何か新たな脅威が登場した場合や新しい機能を実装しようとする場合、SPY-7はソフトウエアを更新するだけで迅速に対処できるというわけです。

>>ロッキード・マーティンとSPY-7の詳細はこちら

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