台風到来前の大規模運休 前例なき決断の理由とは?
台風接近の1日前に、JR西日本は京阪神地区での全面運休を発表しました。具体的にどのような理由があって、そうした前例のない決断をしたのでしょうか。
台風が来る1日前に運休を決めた理由
2014年10月12日(日)、JR西日本は台風19号の接近に伴い、13日(月)の14時頃から京阪神地区で列車の運転本数を順次削減。16時頃から終電までは全列車を運休すると発表しました。JR西日本がこのように大規模なエリアで計画的に運転を見合わせるのは、前例のないことです。なぜそうした大規模運休を、台風が来る前に決めたのでしょうか。
その理由として「台風19号による大きな影響が想定される」こと、そして「混乱を最小限に抑える」ことが挙げられます。
大きく遅延する状況で列車を運転すると、車両や乗務員のやりくりも大きく混乱します。しかしあらかじめ運休を決め、計画的に対応できれば混乱を抑えることが可能であり、運転を再開する場合もスムーズです。特にJR西日本の場合は列車の走行エリアが広く、種類も多く、混乱すると収拾が難しいという点があります。
また列車が突然運転見合わせになると、大勢の乗客が駅や列車内に取り残されます。そして乗客は不安にかられ、鉄道会社は台風と乗客の対応に追われ、大混乱に陥りかねません。しかし事前に運転されないと分かっていれば、乗客も外出を取りやめるなど予定を変更するでしょう。列車に乗客が取り残されることもありません。利用者は大きく減少しますが混乱が最小限に抑えられ、鉄道会社は台風の対応と運転再開に専念できます。
特にこの「列車内に乗客が取り残されるのを防ぐ」というのが大切だったりします。それができなかったことによって、しばしば事態がさらに混乱、重大化してしまうことがあるのです。
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