ぜーんぶ「エンジン逆っ!」 バイクも有名な“名門航空メーカー”を、なぜトルコの新興勢力が買収したのか

トルコの軍需企業バイカルが、ユニークな設計を特徴とするビジネス機などを手掛けるイタリアの名門航空機メーカー「ピアッジオ」を買収します。どういった狙いがあるのでしょうか。

バイクでも有名な「ピアッジオ」航空部門、トルコ企業に

 トルコの軍需企業バイカルは2025年1月27日、イタリアのピアッジオとの間で、航空機事業を手がける子会社ピアッジオ・エアロ・インダストリーズの事業を買収する予備契約を結んだと発表しました。2社はどのような会社で、今回の買収にはどういった狙いがあるのでしょうか。

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jpg, P.180「アヴァンティ」(画像:Piaggio Aerospace)。

 イタリア経済産業省は2024年12月にこの取引を承認しており、今後は首相の承認や細則の取り決めなどを経て、2025年春ごろに買収手続きが完了する見込みです。なお、この買収にはグループ会社であるピアッジオ・アヴィエーションの事業も含まれています。

 ピアッジオは1884年に設立。当初は船舶用部品の製造を行っていましたが、その後は航空機や機関車などの開発・製造にも進出して、イタリアを代表する重工業メーカーとなりました。

 第二次世界大戦後のイタリアでは、大衆向けの安価な移動手段が求められていました。その点に注目したピアッジオはスクーターの開発に乗り出し、その結果誕生したのが名作スクーター「ベスパ」というわけです。

 その後ピアッジオは「モトグッチ」など、より大型のオートバイにも進出する一方で、第二次世界大戦以前のメイン事業であった航空機の開発・製造部門を1964年にピアッジオ・エアロ・インダストリーズとして分社化しています。

トルコ「バイカル」はどんな企業?

 一方で、ピアッジオ・エアロ・インダストリーズを買収するバイカルは、1984年に設立された比較的新しい企業です。

 同社は設立当初、下請けで自動車部品の精密加工を手がけていましたが、トルコの航空産業が成長するのに伴い、技術力を活かして航空機部品の製造にも進出しました。

 バイカルが創業した1980年代半ばから停戦に合意する2013年まで、トルコはクルド人の独立を目指すクルディスタン労働者党との戦闘を行っていました。

 欧米諸国はクルド人に対して一定の配慮を示しており、アメリカはその一環としてトルコに対して、ミサイルなどの兵装を搭載できるUAS(無人航空機システム)の禁輸措置を講じます。

 それに反発したトルコでは、兵装が搭載可能なUASを国内で開発しようという気運が高まりました。UASは有人航空機に比べれば参入のハードルが低く、同時に多くの中小企業もこの気運に乗じて開発に乗り出しました。

【写真】目がバグる…これが買収されるメーカーが手掛ける「異形の航空機」たちです

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