「酷道」また一つ解消! 高速道路と“幻の鉄道”が通る山中のバイパス 39年越し完成 でも県境はガッツリ酷道!?
山口県が建設を進めてきた国道434号「須川バイパス」が2025年3月29日に開通します。
山口・広島県境の「酷道」解消?
山口県は2024年2月14日、県が建設を進めてきた国道434号「須川バイパス」が3月29日に開通すると発表しました。
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場所は山口県東部の山間で、島根・広島県境に突き出た岩国市錦町の北部。このうち広島県廿日市市との境である「松の木峠」に通じる国道を改良する11.3kmの事業が「須川バイパス」です。
1986年から始まり、順次改良を重ね、今回、最後の1.4kmが開通。宇佐川を挟んだ現道の対岸に、トンネル2本、橋梁4本からなる歩道付きの2車線道路が完成します。対岸の現道は、クルマのすれ違いも難しいような、いわゆる「酷道」と呼ばれる未改良の道でした。
山口県はバイパスの開通効果について、「終点側にある寂地峡や、沿線の雙津峡温泉、道の駅『ピュアラインにしき』等へのアクセス性の強化が図られ、錦町の産業・観光の振興、広島県との交流・連携の促進、地域住民の利便性の向上が期待されます」としています。
ちなみに、開通区間の北側では中国道の高架橋が横断していますが、この地域の国道434号を通っていると、別の高架橋も道路を横断しています。
これは、旧国鉄の未成線「岩日線」(岩国-日原)の高架橋です。ほぼ完成状態だったものが、国鉄の経営悪化により1980年に工事凍結となりました。当時すでに開業していた南側、錦町までの区間は第三セクターの「錦川鉄道」に引き継がれています。
この未成鉄道を活用し、錦川鉄道は錦町駅から雙津峡温泉までの約6kmの間で、トロッコ型の遊覧カート「とことこトレイン」を走らせています(冬季運休)。
なお、国道434号の山口県内側は改良されましたが、広島県境の松の木峠の区間は、つづら折りの細い未改良の峠道が残っています。
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