線路脇を人がゾロゾロ 東海道新幹線、深夜は別の顔

5月29日深夜、東海道新幹線の新横浜駅付近で首都圏直下型地震を想定した訓練が行われました。新幹線は深夜帯、線路の保守作業を行っていることは比較的有名かもしれませんが、実は新幹線の深夜は訓練の時間でもあるのです。またこの訓練では、普段は見られない新横浜駅での折り返し運転も実施されました。

新幹線、「空白の6時間」にしていること

 午前7時頃、M8.5の首都圏直下型地震が発生し、東海道新幹線の上り列車が新横浜手前約200mの場所に停車。運転再開まで時間を要することが見込まれたため、乗客が線路脇を歩いて新横浜駅まで移動する――という「訓練」が2015年5月29日(金)の深夜0時過ぎ、299人が参加して実施されました。

新横浜駅手前に停車した列車から梯子を使って降り、ホームまで歩いて移動する訓練(2015年5月29日、恵 知仁撮影)。

 JR東海によると、普段から異常時を想定し様々な訓練を行っており、車両基地で可能なものもあれば、実際に営業列車が走る線路と列車を使ったこうした訓練も必要とのこと。営業列車の運転が終了した深夜帯に実施しているそうです。新幹線の営業列車は6時から0時までの運行で、0時から6時までは主に線路の保守作業が行われる時間帯ですが、そこで合わせてこうした訓練も実施。新幹線が眠る深夜は、訓練用の時間でもあるのです。

「営業列車が終了したのちに、実際に列車を走行させて、様々な異常時を想定した訓練を定期的に実施しています」(JR東海 新幹線鉄道事業本部 営業運輸部 部長 古橋さん)

 古橋さんは、静岡県熱海駅付近のトンネル内で列車火災を想定した訓練、また東京・神奈川県境の多摩川橋梁上でも訓練を行ったことがあると話します。

 また今回の訓練は東京~新横浜間が不通、という設定になっており、通常は折り返し運転を実施していない新横浜駅で、名古屋駅側から来た列車が名古屋駅側へ折り返し運転を行う、という訓練も行われました。普段、折り返し運転を行わない駅でそれを実施することは、車内整備や乗務員確保などの問題から簡単ではありません。それが異常時の課題でもあり、そうなっても極力列車運行を確保できるよう今回、訓練が行われた形です。

【了】

Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)

鉄道ライター、イラストレーター。「鉄道」や「旅」に関する執筆活動や絵本の制作を行っているほか、鉄道車両のデザインにも携わる。子供の頃からの旅鉄&撮り鉄で、日本国内の鉄道はJR・私鉄の全線に乗車済み。完乗駅はJRが稚内で、私鉄が間藤。メインは「鉄道」だが、基本的に「乗りもの」好き。

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