ウクライナ軍の「機械の天使」が敵ドローン網を突破! 2度の爆発にも耐えた“決死の救出劇”
ウクライナ戦争ではドローンによる攻撃が激化し、負傷兵の救出も命懸けです。そうしたなか、負傷兵を救う「機械の天使」として無人地上車(UGV)が急速に存在感を増しています。
ドローンが支配する戦場、救護も命懸け
「衛生兵!」
銃弾が飛び交う戦場で兵士が倒れ、仲間が必死に衛生兵を呼ぶ。戦争映画ではよく描かれるシーンです。しかし、21世紀のウクライナ戦争の最前線では、その声に応えて駆け寄ること自体が命懸けになっています。理由は小型無人機(UAV:ドローン)です。
現在の戦場では、上空に偵察ドローンが常時飛び交い、発見された目標にはFPV(一人称視点)自爆ドローンが突入してきます。救護活動自体が二次被害を招く危険が極めて高くなっています。
こうした環境下で急速に存在感を増しているのが、無人地上車(UGV)です。FPVドローンが敵を攻撃するための無人化技術だとすれば、UGVは味方の命を救うための無人化技術といえるかもしれません。その象徴的な事例として、ウクライナ軍が公表した「マクシム救出作戦」があります。
ドネツク州の前線で、マクシムという兵士が地雷によって重傷を負いました。上空から敵ドローンが監視する地域で孤立し、動くこともできません。部隊の仲間1人が彼の救護と護衛のために残りましたが、敵ドローンをかいくぐって周辺から水や食料をかき集めるのが精一杯です。救出は困難に見えましたが、ウクライナ軍第1独立医療大隊は彼らを見捨てませんでした。
潜伏場所の位置情報は共有され、ドローンによって食料や医薬品が投下されます。空から補給を受けながら、マクシムは命をつなぎました。そして救出のため、負傷兵を収容する装甲カプセルを備えたUGVが送り込まれます。
しかし送られた救出用UGVは、地雷やFPVドローンによって次々と破壊されていきます。6回失敗し、7回目でようやくUGVはマクシムが潜む廃墟に到達します。夜間にマクシムは患者用装甲カプセルに収容され、後方へ向けて搬送が始まります。しかし、脱出行も決して安全なものではありませんでした。移動中に車両は爆発に見舞われています。
「2回の爆発を感じました。1回目は車両の近くで、2回目は地雷を踏んだようでしたが、車両はそのまま進み続けました」
「途中で車両が破壊されて停止し、取り残されるのではないかと恐れていました」
「疲れを感じ始めました。エンジンのせいで車内は信じられないほど暑かったんです。無線からは『まだ先が長い、まだ先が長い』という声が聞こえていました。とにかく早く着いてくれと祈り続けました」
マクシムはこのように搬送時のことを振り返ります。周囲の状況がよく分からない装甲カプセルの中で無人の車両に身を任せる不安感は、想像に難くありません。





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