大阪市中心部から箕面まで直結可能に!「北大阪急行」延伸線のいまとダイヤを探る

江坂駅と千里中央駅を結び、江坂以南でOsaka Metro御堂筋線と直通運転を行う北大阪急行線は、千里中央駅から箕面萱野駅までの延伸事業が進められています。延伸開業後の運賃やダイヤはどうなるでしょうか?

この記事の目次

・はじめに
・延伸事業のあらまし
・延伸部の現況
・延伸部の運賃と運行ダイヤ
・おわりに

【画像枚数】全10枚

はじめに

 大阪の地下鉄を代表するOsaka Metro御堂筋線。南はなかもず駅から天王寺、なんば、心斎橋、梅田、新大阪と大阪の都心の主要なところを貫き、江坂駅に至ります。関西圏に住んでいる人はもちろん、関西圏以外に住んでいる人でも利用したことがある人は多いのではないでしょうか。

 御堂筋線は江坂駅(大阪府吹田市)から北大阪急行線(北大阪急行電鉄南北線)と直通し、千里ニュータウンの中心、千里中央駅(大阪府豊中市)まで一体的な運行を行っています。そんな北大阪急行線ではいま、千里中央駅からさらに北へむけての延伸工事が進められています。

Large 201225 hokukyu 01

拡大画像

北大阪急行は江坂から千里中央を結び、大半は新御堂筋(国道423号)に挟まれた場所を走る。朝ラッシュ時間帯は写真のように新御堂筋は大阪市街地方面へ向かう車で混み合う。車両は相互直通運転を行うOsaka Metro御堂筋線の21系(2020年2月、鳴海 侑撮影)。

 今回は北大阪急行線の延伸事業と今後予想されるまちの変化を予想ダイヤとともに紹介します。

延伸事業のあらまし

 北大阪急行線の延伸事業は千里中央駅から箕面萱野駅(大阪府箕面市)までの約2.5kmで進められています。途中には箕面船場阪大前駅(大阪府箕面市)が設けられ、箕面市内に新たに2駅が設けられます。

 延伸事業そのものの歴史は古く、北大阪急行線開業前の1968(昭和43)年からすでに箕面市の総合計画に盛り込まれています。その後、1986(昭和61)年に具体的に延伸の計画が盛り込まれるようになり、1989(平成元)年には運輸政策審議会答申第10号にも取り入れられることで、本格的な計画となっていきます。

 しかしながら具体的な動きはその後20年間は乏しく、2008(平成20)年に北大阪急行線延伸を公約に掲げた倉田哲郎氏が箕面市長に当選することで計画が大きく動き出します。ただし、建設費負担が重いことから実現に向けたハードルはかなり高いものでした。

 ところが、2010(平成22)年に社会資本整備総合交付金制度が創設されたことで、流れが変わります。この制度を活用し、事業費に対する国からの補助率を35%から50%に上げることができたのです。2012(平成24)年に制度を活用した北大阪急行線延伸事業が認められると、事業者との調整が行われます。そして2014(平成26)年3月には大阪府、箕面市、北大阪急行、阪急の4者で合意がなされ、2020年の開業を目指して延伸事業がスタートしたのですが、用地買収の遅れや工事の難航から開業時期は遅れ、現在は2023年度開業を目指して工事が進められています。

残り2669文字

この続きは有料会員登録をすると読むことができます。

2週間無料で登録する

Writer: 鳴海 侑(まち探訪家)

1990年、神奈川県生まれ。私鉄沿線で育ち、高校生の時に地方私鉄とまちとの関係性を研究したことをきっかけに全国のまちを訪ね歩いている。現在はまちコトメディア「matinote」をはじめ、複数のwebメディアでまちや交通に関する記事を執筆している。

最新記事