関西~北九州でド競合「阪九フェリーvs名門大洋フェリー」どう選ぶ 存在感増す“動くホテル”

トラック需要はしばらく増えそう?

 風向きが変わり始めたのは、懸案であった原油価格が落ち着きを見せ始めた2015(平成27)年ごろです。トラックドライバーの人手不足も深刻さを増すなかで、いわゆる「働き方改革」によって長時間運転時の休息時間の確保が必須となり、海上での移動時間を休憩時間に適用できるフェリーの存在感が増しました。阪九・名門大洋の2社も車両甲板がトラックで埋まり、自家用車が乗船できないような混雑ぶりだったといいます。

 各地のフェリー事業者が息を吹き返すなか、2015年と2020年には阪九が、2015年と2021年には名門大洋がそれぞれ保有する船の更新を行い、トラックの積載能力向上やドライバールームの充実を図っています。2022年3月に就航が予定されている名門大洋の新造船「フェリーふくおか」も、トラックの積載能力が入替対象の船より5割もアップしています(108台→162台)。

 この傾向は他の九州航路や瀬戸内海航路も同様で、2022年の新造船就航が決定している宮崎カーフェリー(三宮港~宮崎港)、ジャンボフェリー(三宮港~高松東港)も、トラック・コンテナの積載能力が大幅に向上するなど、大型化が主流となっています。

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名門大洋フェリーを利用するトラック。新門司港にて(宮武和多哉撮影)。

 しかし、2020年から続くコロナ禍では旅客輸送が大きく落ち込み、“密”を避けるため阪九では早朝到着便の“居残りサービス”を一時休止(現在は再開)、名門大洋でも新造船の建造中に、カーペット敷きの大部屋を個室空間に設計変更するなどの対応を取って来ました。

 とはいえ貨物への影響は限定的で、 2024年にはトラックドライバーの残業規制も始まり、航路がさらに注目されるでしょう。もちろんトラック業界もこの「2024年問題」を見据えて中継輸送などの取り組みを進めていますが、そのなかでフェリーがどこまで荷主を囲い込めるかが注目されます。

【了】

【メシがうまい!!!】阪九フェリー&名門大洋フェリー 乗船レポを写真で見る

Writer: 宮武和多哉(旅行・乗り物ライター)

香川県出身。鉄道・バス・駅弁など観察対象は多岐にわたり、レンタサイクルなどの二次交通や徒歩で街をまわって交通事情を探る。路線バスで日本縦断経験あり、通算1600系統に乗車、駅弁は2000食強を実食。ご当地料理を家庭に取り入れる「再現料理人」としてテレビ番組で国民的アイドルに料理を提供したことも。著書「全国“オンリーワン”路線バスの旅」など。

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