バブル期“究極の寝台列車”どんだけすごかったか! 伝説の24系客車「夢空間」

鉄道史に残る超豪華車両

「夢空間」は、A個室寝台車、ラウンジカー、展望食堂車の3両で構成され、コストを度外視した贅沢な内装が施されていました。

 改造車である「北斗星」や「トワイライトエクスプレス」とは異なり、新製車ながら「北斗星」への連結を想定して、既存の14系・24系客車と同じ電気制御回路を備えます。いわば最後にして究極の24系寝台客車でしょう。

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寝台車「デラックススリーパー」の「スーペリアツイン」。カーテンもホテル並みの豪華さだ(2008年3月、安藤昌季撮影)。

 まず寝台車「デラックススリーパー」ですが、内装は「オールドニュー」をテーマに高島屋が手がけたものです。個室は全て2人用で、A室(後に「エクセレントスイート」と命名)1室、B室(後に「スーペリアツイン」と命名)2室を備え、車両の定員はわずか6名でした。

 A室の個室幅は1.99m、長さは7.38mで、専有面積は14.7平方メートルにも及びました。6.1mの長さを持つ居室部分はリビングと寝室に分けられており、リビングには電話やオーディオ機器も完備。寝室は寝台幅1.25mのセミダブルベッドがL字型に配置されました。寝台の幅が広すぎて、横には並べられなかったのです。

 この寝台幅1.25mは、寝台特急用車両としては現在でも日本一です。筆者(安藤昌季:乗りものライター)は上で横になったことがありますが、まさにホテルのベッドの寝心地でした。また、床が10cmの高床であるため、走行音も静かでした。

 さらに、個室内にユニットバスも備えられていました。シャワー設備のある寝台車は戦前から存在しますが、お風呂は国内では初めて。その後も2017(平成29)年に登場した「トランスイート四季島」まで、例を見ない豪華設備でした。

 B室はリビングが寝室兼用でした。長さが3.25mと短いことと、寝台幅が80cmと狭いことがA室との違いでしたが、こちらも浴室が備えられたハイグレードな個室寝台でした。

【もう高級ホテルやん】なんと豪華な「夢空間」の車内 ほか東京を走った「オリエント急行」

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