74式戦車も愛用! 100年選手の傑作戦車砲L7 世界のスタンダードになったワケ

74式戦車や「レオパルト1」、M60など世界の名だたる戦車たちが搭載するのがイギリス製105mmライフル砲L7です。同砲は傑作戦車砲と称されますが、なぜなのかひも解きました。

イギリスが生んだ傑作戦車砲

 2023年度末(2024年3月)をもって、陸上自衛隊から74式戦車が退役します。ただ、74式戦車が搭載する105mm戦車砲はいまだ第一級の威力を持っており、74式戦車の事実上の後継として配備が進められている16式機動戦闘車は、74式戦車と同じ砲弾を撃つことができる国産の105mm砲を搭載しています。

 これら74式戦車や16式機動戦闘車が搭載する105mmライフル砲は、イギリスで開発されたロイヤル・オードナンス105mmライフル砲L7を基に国産化したものです。このイギリス製105mm戦車砲は、日本のみならず、母国イギリスはもちろん、アメリカやドイツ、イスラエル、スウェーデン、スイスなど各国で開発されたオリジナル戦車に搭載され、多用されており、旧ソ連系の兵器体系を持つ中国も採用し、ライセンス生産しています。

 すでに誕生からかなりの年数が経っているのに、なぜ、この105mm砲はそこまで各国軍に愛され続けるのでしょうか。改めて振り返ってみましょう。

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105mmライフル砲L7を搭載する74式戦車(奥)。16式機動戦闘車には、それを基に日本が独自開発した105mm砲が搭載されている(画像:陸上自衛隊)。

 ロイヤル・オードナンス105mmライフル砲L7が誕生したのは、いまから70年ほど前の1950年代のことです。ただ、その出自を追うためには、もう少しさかのぼることが必要です。

 イギリスは、第2次世界大戦の前期から中期にかけて、ドイツの優秀な戦車と戦車砲の後塵を拝したため、大戦後期に17ポンド(76.2mm)砲を開発して、かろうじてドイツ戦車に追いついたような状況でした。そのため、大戦が終わるとイギリスはこの戦訓を反省し、17ポンド砲に続けて20ポンド(84mm)砲の開発に着手。終戦直後の1948年に制式化すると、終戦直前に増加試作車が完成していた、イギリスの戦後第1世代MBT(主力戦車)となる「センチュリオン」の備砲に採用しました。

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