シカの線路侵入、目的は鉄分補給 生態を分析した誘鹿材が登場

しばしば線路へシカが侵入し、事故などが発生しています。なぜシカは線路へ入るのでしょうか。その理由は「鉄分補給」という研究成果が出ています。

そもそもなぜシカは、線路へ侵入するのか?

 しばしば線路へシカが侵入し、列車の遅延を招いたり、場合によっては事故に繋がることもあります。

 線路へのシカ侵入を防止するため、ライオンの糞などの成分を線路へ散布するといった対策が行われてきましたが、雨で流されてしまったり、シカが慣れてしまうなど、決定打にはなっていませんでした。JR東海では、車両の正面下部にクッションを設置することで、衝突したシカを線路外へ押し出し事故になることを防ぐ、といった取組みも行われています。

 そもそもなぜシカは、線路へ侵入するのでしょうか。2015年10月8日(木)、日鐵住金建材がその“なぜ”に注目したシカ対策システムの販売を開始しました。

線路へ侵入しているシカと、鉄分を含んだシカ専用誘引材「ユクル」(写真出典:日鐵住金建材)。

 同社によると、シカが線路内へ侵入する理由について、「鉄分を求めて」という研究成果が出ているとのこと。線路周辺には、レールと車輪との摩擦により生じた鉄粉が散らばっています。シカは身体に必要な鉄分を補給するため、その鉄粉を求めて線路へ入るというのです。

 そこで日鐵住金建材は、鉄分を含有した世界で初めてというシカ専用誘引材(固形塩)「ユクル」を開発。実際に野生のホンシュウジカ、エゾシカを対象に試験を行ったところ、多数のシカを長時間にわたり誘引することを確認したとのこと。そしてこれを適切な場所へ設置すれば、シカの徘徊防止、シカ被害の低減が期待できるほか、ワナへの誘導も可能といいます。

 同社は「シカに対して問題意識のある鉄道事業者様、自治体様、猟友会様、環境保護団体様など、様々なお客様にご使用頂けます」としています。

【了】

Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)

鉄道ライター、イラストレーター。「鉄道」や「旅」に関する執筆活動や絵本の制作を行っているほか、鉄道車両のデザインにも携わる。子供の頃からの旅鉄&撮り鉄で、日本国内の鉄道はJR・私鉄の全線に乗車済み。完乗駅はJRが稚内で、私鉄が間藤。メインは「鉄道」だが、基本的に「乗りもの」好き。

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