長~い「連節バス」、大量輸送の主役となるか 都市部などで導入進む その歴史と現状(写真23枚)

日本で活躍する連節バスは大半が外国製

 現在日本では、北は新潟から西は福岡まで、おもに大都市の利用客が多い路線や幹線路線を中心に連節バスが導入されており、その数はここ数年で増えています。2018年春にはさらに、京都府精華町域のけいはんな学研都市で運行を開始するほか、福岡県北九州市など導入を検討している都市もあります。2020年東京オリンピック・パラリンピックまでに、連節バスが見られる機会はさらに増えることが予想されます。

 日本で活躍する連節バスは、大半が外国製です。現在は次の4車種が活躍しています。

●メルセデス・ベンツ「シターロG」
・運行事業者:神奈川中央交通、京成バス、岐阜乗合自動車、近江鉄道、南海バス、神姫バス、西日本鉄道

 ダイムラーグループのエボバス(EvoBus)が製造する大型連節路線バスで、2007(平成19)年に神奈川中央交通が日本で初めて導入しました。現在、日本国内では最多の台数を誇り、三菱ふそうトラック・バスが販売窓口となっています。2016年には新型モデルが発表され、南海バスや西日本鉄道が導入しています。

●スカニア/ボルグレン
・運行事業者:新潟交通、奈良交通(2018年春運行開始予定)、西日本鉄道

 スウェーデン・スカニア製のシャーシとエンジンに、オーストラリア・ボルグレン製の車体を載せた連節バス。車両幅や軸重などを日本の法規に合わせるなど、日本市場向けとしたのが特長です。日本で初めて導入したのは新潟交通で、2015年9月のこと。三井物産プラントシステム(東京都港区)が輸入販売を行っています。

●ネオプラン「セントロライナー」
・運行事業者:神奈川中央交通

 ドイツのゴットローブ・アウベルダー社製、「ネオプラン」ブランドの低床バスです。日本では神奈川中央交通が2005(平成17)3月に湘南台駅西口~慶応大学間の路線バス用として「セントロライナー」連節タイプを初導入しました。

●ボルボ「B10M」
・運行事業者:ジェイアールバス関東

 前出の、ボルボが1998(平成10)年に日本で正式発表し、当時の京成電鉄(京成バス)がJR幕張本郷駅~幕張新都心間に導入した連節バスです。車体は富士重工業(現・スバル)製。京成バスはこのバスを10台導入しましたが、現在はメルセデス・ベンツの「シターロG」に代替されています。京成バスで活躍していた車両のうち4台は、ジェイアールバス関東が購入し、現在はJR東日本総合研修センターの送迎バス(新白河駅~研修センター)として運行しています。

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西日本鉄道が福岡市内で運行するスカニア/ボルグレン製の連節バス(須田浩司撮影)。
ジェイアールバス関東が社員送迎用に利用しているボルボ「B10M」(須田浩司撮影)。
南海バスが関西空港の路線に導入したメルセデス・ベンツ「シターロG」2016年モデル(須田浩司撮影)。

 残念ながら、現在のところ純国産の連節バスは導入されていませんが、じつはいすゞ自動車と日野自動車が共同で、ハイブリッドシステムを搭載した新型の連節バスを開発しています。早ければ2019年には日本国内向けに発売する予定です。

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コメント

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9件のコメント

  1. 運賃計算係のパートを載せ、自動運転+バス専用道+連接バスなら路面電車よりも遥かに低コストな公共交通機関ができそうですね

    • 自動運転なら、通常バスを2倍の頻度で走らせてもらった方が乗客は待たないで済む。一人の運転手で大勢運べるところに連節バスの意味があると思う。

  2. 当然にドライバーさんの給与もそれなりなんだよね?
    また車両枠のアホな緩和を乱発して一人の負担増やして、一人二役の一人もそのうちに逃げ出すぞ

  3. バス停の延伸工事もほぼ完了し、近々連接バス運行開始する予定です。

    が、未だに排ガス規制がなく古いディーゼルエンジンから窒素酸化物撒き散らしながら満員のバスで坂を登ってるのを見ると、倍の人数乗せてどんな速度になるのやら…

  4. 元万博バスの流転の人生に少しホロッとした。
    千葉と神奈川のは知ってたが、意外に走ってて驚いた。

  5. 必要性ある路線への導入は好ましくも、最近では「客寄せ」の為への導入も見られて政策が安易すぎる。
    横浜市もみなとみらい地区に新規導入を計画(決定)していますが連接バスを走らせる程の需要もなく、既に営業している「あかいくつ号」で充分に足りている。にもかかわらず連接バス導入って???理解出来ない。ひと昔前に「二階建てバス」が流行って各地に導入されるも飽きられてしまい殆どが全滅していますよね? ムダな資金・税金の活用方法だよ!

  6. 人員不足を物の巨大化で補う頭の程度が信じられん

  7. 『「連節バス」、大量輸送の主役となるか 都市部などで導入進む』とありますが、現実的には「都市部でしか導入できない」でしょう。
    後ろの写真が少ないですが、そのうちの1枚、次の文字があります。
    「全長約12m 追い越し注意」
    普通のバスですらバス停での追い越しが大変なのに、その約倍のバスとなったらさらに追い抜きが大変でしょう。
    千葉市に住んでいたことがあるのでわかりますが、この路線は片側2車線です。つまり、追い抜き時対向車の心配がいらない。

  8. これからの時代はLRTよりBRT。鉄道よりも車両も設備も安価だし大量輸送もできる。
    無人運転ももう夢ではない時代になってきた。ますます普及してほしい。