「大都市圏の貨物線」5線 特急が走り旅客列車でにぎわう路線 一般の路線図にない路線

通勤路線のイメージ強い山手貨物線 バイパス役の武蔵野南線

山手貨物線

 山手貨物線は、品川~新宿~田端間でJR山手線に並行して敷設されています。現在はJR埼京線や湘南新宿ラインの列車が頻繁に運行されており、貨物列車は早朝を中心に1日6往復しか設定されていません。

 山手貨物線を走る貨物列車が減少した理由は、1973(昭和48)年に国鉄(当時)武蔵野線が開業し、貨物列車の多くが武蔵野線を経由するようになったためです。貨物線としての面影はほとんどない山手貨物線ですが、新宿や渋谷を通り、北関東と横浜などを結ぶ通勤路線でもある現在は、首都圏の重要な旅客路線になっています。

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池袋駅の湘南新宿ラインホームを通過するEF65形電気機関車。ここは山手貨物線で、現在も6往復の貨物列車が設定されている(2005年12月、児山 計撮影)。

武蔵野南線

 JR武蔵野線の旅客列車は、府中本町~西船橋間(一部は京葉線へ直通)で運転されていますが、府中本町駅(東京都府中市)から南方向にも「旅客営業を行わない武蔵野線」が伸びています。これが府中本町駅からJR南武線にほぼ並行して鶴見駅(横浜市鶴見区)に至る貨物線、通称「武蔵野南線」です。

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JR南武線の分倍河原駅を通過する石油輸送列車。次の府中本町駅から武蔵野南線に入って鶴見へ、さらに横浜方面に向かう(2012年2月、児山 計撮影)。

 武蔵野南線は、旅客列車で混雑する都心を貨物列車が通過することなく、鶴見駅からJR東北本線や常磐線、京葉線方面に抜けられるバイパス線の役目を担っています。かつては運輸省(現・国土交通省)が旅客化を検討していましたが、諸般の事情からこの計画は消滅しています。なお、武蔵野南線は大部分がトンネルになっており、走行する貨物列車を見られる区間は限られています。

【地図】貨物5線のルート

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コメント

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3件のコメント

  1. 梅田貨物線の欄、特急がガンガン走る路線なのに扱い雑やな……。
    ちなみに関空特急「はるか」は京都駅(正確に言うと京都貨物駅)から向日町駅の間も貨物線を走ります。

  2. 地図がついているので、分かりやすい。
    新金貨物線のところで、上野ー東京間が黒太線でないのは、東京駅では総武地下線とは別だから?

    • 総武本線と常磐線を結ぶってことでそれらの線を太線にしたんでしょ。
      常磐線の起点は日暮里だけど、上野始発という一般的な認識に配慮したのでは。
      新金貨物線と越中島支線は通称で、正式にはどちらも「総武本線」なんですがね。