特急の運転士はベテランなのか? 普通列車と特急 運転が難しいのはどっち?

特急の運転では考えることがたくさん 見えないプレッシャーも?

 とはいえ、その反対に「特急列車だから運転が簡単である」というわけでもありません。停車駅の多い普通列車は利用客の乗降回数も多く、それが運転時間に影響することもありますが、特急列車は停車駅が少ない分、運転士自身の運転方法に左右されがちです。停車機会が少ない分、力行(自動車でいうアクセル)の仕方に運転技術が反映されます。たとえば、無闇にスピードを最高速度まで上げて停車駅手前でブレーキをかけるのではなく、「定刻だから○km/hまでで十分だ」「遅れているから○km/hまで出して取り戻そう」などといった運転につながっていきます。

Large 200124 loltd 03

拡大画像

小田急電鉄の特急ロマンスカー70000形「GSE」と、引退した7000形「LSE」(2018年2月、草町義和撮影)。

 また、特に有料特急となれば専用車両が運用されている場合も多いため、通勤形と比べて運転方法に違いが出ます。それは、車両によってブレーキの度合いや加速度が違うためです。たとえば小田急電鉄の特急「ロマンスカー」の一部は、運転台が展望席の上部にあるので、通勤形車両とは速度感覚や停車する際の位置感覚が異なります。

 特急列車を高速で運転中、前を走る列車に遅れが生じ、信号が「注意」を示しているとき、運転士は決められた速度まで減速しなければなりません。このとき、運転士は早めにブレーキをかけなければならず、普通列車の運転時とは別物の集中力が求められます。高速になるほど、列車の停止距離が延びるためです。

 ほかにも特急列車は、乗客の他路線への乗り継ぎや空港アクセスなど、運行そのものが与える影響は大きいので、運転士は目に見えないプレッシャーを抱えているかもしれません。

【写真】運転士の乗務スケジュール

最新記事

コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。

10件のコメント

  1. 時間があったらいくらだって「経済運転」ができるんじゃないんですか?

    • 電車の速度が遅すぎるとそれはそれで消費電力が増えて経済性は悪化するし、駅間の時間が伸びて客が減っても経済性が悪化する。

    • 所要時間≒乗務員の拘束時間でもあるから所要時間が増やしつつ、本数維持をしようとすると車両も人員も必要になるから人件費や車両関連のコストはむしろ悪化する。
      逆にそれらのコスト増加を避けるために本数を減らすと利便性が下がるのでこんどは利用者が離れる可能性がある。

  2. よくこれで独り立ちしたな?てな酷いのもいるしな。
    ベテランだろうが五感の麻痺してる運転士は濾しきれないからな。

    • 偉そうに抜かしてんじゃねえよ。そんなに文句言うならお前やってみろや

  3. 昔、大卒総合職が鉄道会社に入っても駅員→車掌→運転士→丘(事務職)という行程だったらしいですけど、運転士行程は特急が主、という話を。
    今では現場関係そこそこに(運転士も特になく)関連会社を行ったり来たりしながらキャリアアップだそうで。

  4. 特急の方が運転は簡単である。
    運転で一番気を遣うのは列車を止めるとき。
    停車駅が特急の方が少ないのだから一目瞭然である。
    また列車遅延で回復運転をする場合も特急は次の駅までが長いのである程度取り返せる。

  5. 特急と言っても新幹線はまた違う、力行をほんの少し怠るだけでタイムに響く…というのは過去の話で、社によって定速制御〜クルーズコントロール〜を導入するか否か逡巡した節はあるが、駅停車間際にマニュアルのブレーキに移り停止位置を合わせる以外はほぼ自動運転に近くなっている路線もあるらしい。

    • N700A/N700Sでは定速制御と駅停車時の自動一段制動ブレーキを導入したようですね、

  6. 山手線が難しいと聞いたことがあるが…どうなんだろう?