【空から撮った鉄道】湘南を走る小さな電車「江ノ電」 海岸線や住宅地を縫う姿を捉える

江ノ島電鉄「江ノ電」は、東海道本線藤沢を起点に、住宅地、併用軌道区間、湘南の海岸線、鎌倉の谷戸、住宅地を縫って鎌倉へ至る鉄道です。小さな連接車が右へ左へと走る姿を捉えました。2013年の空撮です。

この記事の目次

・江ノ電は身近な鉄道
・初の江ノ電空撮はぶっつけ本番
・唯一残った旧型車の300形305編成を追う
・忙しないけどテンポがよくて楽しい

【画像枚数】全20枚

江ノ電は身近な鉄道

 私にとって江ノ電は、親戚が沿線に住んでいたこともあって身近な鉄道です。それこそ鉄道旅をするようになった小学校高学年から訪れ、300形の301号、303号、306号、旧500形といった旧形式によく乗りました。

 江ノ電はいくつも思い出があり、鉄道撮影の練習に通いました。それから20年くらい経った2013(平成25)年。上空から江ノ電を撮ることになります。きっかけは講談社刊行の空鉄本2冊目の取材です。

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由比ヶ浜駅を眼下に長谷駅まで望む。ちょうど1000形+500形の4両編成が由比ヶ浜駅を発車した。画面左に見えるのは鎌倉海浜公園(由比ガ浜地区)で、「タンコロ」の愛称を持つ106形107号が保存・展示されているのが見える(2013年4月8日、吉永陽一撮影)。

初の江ノ電空撮はぶっつけ本番

 撮影日の2013年4月8日は、たしか前日まで荒天でした。当日は晴れ。鉄道空撮の天候は、ディティールが判別できる薄曇りがベストと自分の中で決めているのですが、湘南の海岸線は晴れ間の方が清々しいなと考え、初の江ノ電空撮は晴れにしました。

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その106形107号を寄りで撮影した。同車は1982(昭和57)年に鎌倉市に寄贈されてこの場所に保存・展示された。2009(平成21)年には車体の修復工事が行われ、きれいな姿を保っている(2013年4月8日、吉永陽一撮影)。

 撮影する場所は、江ノ電を象徴するところに絞ります。長谷、極楽寺、稲村ヶ崎~鎌倉高校前の海岸線、腰越~江ノ島の併用軌道、江ノ島駅や鵠沼駅といった具合です。江ノ電は車窓や線形の光景も思い浮かべるほど何度も通っているので、いまさら下見はいいだろうと、ぶっつけ本番で敢行します。

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Writer: 吉永陽一(写真作家)

1977年、東京都生まれ。大阪芸術大学写真学科卒業後、建築模型製作会社スタッフを経て空撮会社へ。フリーランスとして空撮のキャリアを積む。10数年前から長年の憧れであった鉄道空撮に取り組み、2011年の初個展「空鉄(そらてつ)」を皮切りに、個展や書籍などで数々の空撮鉄道写真を発表。「空鉄」で注目を集め、鉄道空撮はライフワークとしている。空撮はもとより旅や鉄道などの紀行取材も行い、陸空で活躍。

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