【空から撮った鉄道】四国初の鉄道は軌道線と鉄道線の平面クロスがある伊予鉄

伊予鉄道は四国初の鉄道として1888(明治21)年10月に松山(現・松山市)~三津間が開通しました。軌道線と鉄道線があり、全国で数少ない平面クロスがあります。市内線を中心にして、2013年と2020年に空撮した写真を紹介します。

この記事の目次

・日本に残る鉄道線と軌道線との平面クロス
・2013年は九州遠征の後に訪問
・2020年は瀬戸内海を渡って

【画像枚数】全36枚

日本に残る鉄道線と軌道線との平面クロス

 伊予鉄道の名を聞いて思い浮かべるのは何でしょう。「坊っちゃん列車」、路面電車(軌道線)と鉄道線、道後温泉、松山城、平面クロス。軌道線は松山の名所を結び、鉄道線は主に郊外と中心部を結んでいます。そしてJR松山駅すぐ近くの大手町駅と古町駅で、軌道線と鉄道線は平面クロスをします。この光景は全国唯一の存在です。

 伊予鉄道の路線は以下の通りです。軌道線は道後温泉~西堀端間の城南線、古町~西堀端間の大手町線、本町一丁目~本町六丁目間の本町線、南堀端~松山市間の花園線で、平和通一丁目~古町間の城北線は軌道線のように思えますが、実は鉄道線です。路線名はこのように分かれていますが、実際の運転は系統別であり、花園線、大手町線、城北線、城南線をほぼ環状運転する1、2系統。松山市~道後温泉の3系統、JR松山駅~道後温泉の5系統、松山市~本町六丁目の6系統で、4系統は欠番となっています。

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最初に訪れたのは道後温泉上空で、道後温泉本館を眼下に中央やや右上に見える城南線道後温泉駅(電停)を撮影した。その上では道後公園電停を発車した列車が道後温泉駅へと向かう(2013年4月11日、吉永陽一撮影)。

 鉄道線は、松山市~高浜間の高浜線、松山市~横河原間の横河原線、松山市~郡中港間の郡中線となっており、軌道線も鉄道線も松山市駅を起終点として路線を運行しています。松山市駅は伊予鉄の中心であり、観覧車もあるデパートの1階部分に鉄道線のホームがあって、軌道線はすぐ北側のロータリーに電停があります。

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南東側から道後温泉駅を寄りで撮影した。駅にはモハ50形(前期型)が到着し、引上げ線ではモハ50形(後期型)が停車する。電停脇の展示線では「坊っちゃん列車」の姿も(2013年4月11日、吉永陽一撮影)。
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道後温泉駅の駅舎を正面から狙う。駅前にはバス乗り場があるが手狭なため、引上げ線の横に転回場を設けている(2013年4月11日、吉永陽一撮影)。

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Writer: 吉永陽一(写真作家)

1977年、東京都生まれ。大阪芸術大学写真学科卒業後、建築模型製作会社スタッフを経て空撮会社へ。フリーランスとして空撮のキャリアを積む。10数年前から長年の憧れであった鉄道空撮に取り組み、2011年の初個展「空鉄(そらてつ)」を皮切りに、個展や書籍などで数々の空撮鉄道写真を発表。「空鉄」で注目を集め、鉄道空撮はライフワークとしている。空撮はもとより旅や鉄道などの紀行取材も行い、陸空で活躍。

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