カメに止められた飛行機なぜ? 成田空港が“カメ対策”に本気のワケ 飛行機VS生物の歴史

飛行機の運航に影響を及ぼしてきた動物たち

 空港は、滑走路のまわりの草むらなどに鳥が餌を求めて集まってくることが、やっかいな問題として知られています。鳥と飛行機の衝突はいわゆる「バードストライク」として知られている現象で、とくに海上にある空港で多く発生するアクシデントです。

 旅客機はバードストライクに遭遇しても大丈夫なように設計されており、ほとんどは遭遇後も無事に着陸しているものの、結果的にフライトに致命的な影響を来してしまったケースもゼロではありません。

 たとえば、2009年の「ハドソン川の奇跡」と称賛された、USエアウェイズ1549便の不時着水事故も、ロング・アイランド湾内にあるラガーディア空港を離陸した直後、鳥の群れに突っ込んでしまった結果、両エンジンが停止してしまったことが発端でした。

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 FODとして、飛行機にぶつかってしまう生き物のなかには、少しびっくりするようなものもあります。

 関西空港で1995年7月、着陸機がバードストライクにあったと認識し調査したところ、エンジンに吸い込まれたのは鳥ではなく「大量のバッタ」だったことがありました。このとき、滑走路周辺で推定100万匹が生息しているのが見つかったそうで、天敵のヘビなどが人工島にいなかったために繁殖したようです。

 もしかすると、動物や虫にとって、空港は暮らしやすいのかもしれません。

 カメに話を戻すと、成田空港を運営するNAA(成田国際空港)は、滑走路周辺にU字溝を設けて侵入を防ぎ、前出の通り100個以上の罠も仕掛けるということです。ただ、カメの方も、決して飛行機を止めようと思って生活しているわけではないことを付け加えておきます。

【了】

※誤字を修正しました(5月17日17時25分)。

【意外とでけーな】ANAのカメの飛行機を止めた「カメ」張本人

Writer: 相良静造(航空ジャーナリスト)

さがら せいぞう。航空月刊誌を中心に、軍民を問わず航空関係の執筆を続ける。著書に、航空自衛隊の戦闘機選定の歴史を追った「F-Xの真実」(秀和システム)がある。

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