列車すれ違いざまに「ファーン!!」なぜ警笛を鳴らす? 「接近中」を大音響で伝える意味

列車に乗っていると、すれ違いざまに対向列車がけたたましく警笛を鳴らし、びっくりすることがあります。なぜそのタイミングで警笛を鳴らすのでしょうか。これには事故防止のうえで重要な意味がありました。

警笛を鳴らす場面とは

 列車に乗っていると、すれ違いざまに対向列車がけたたましく警笛を鳴らし、びっくりしたという経験を持つ人もいるでしょう。なぜ、そのタイミングで鳴らすのでしょうか。

 そもそも警笛とは何なのか――日本民営鉄道協会によると、鉄道従事者間の合図として使用されるほか、踏切や駅を通過する際、列車の接近を知らせて危険を回避するために鳴らすことがあるとしています。列車進入時の駅ホームで、黄色い線の外側にいる人が警笛を鳴らされる場面を見たことがある人も多いでしょう。

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すれ違う列車のイメージ(2023年3月、大藤碩哉撮影)。

 事業者により警笛を鳴らす場面や基準は異なるものの、冒頭のケースにおいて一般的に都市部で遭遇するのは、踏切至近ですれ違う時です。例えば自分が乗る列車が踏切を通過し、その際に対向列車が迫っている場合、対向列車は警笛を鳴らします。理由は先述の「危険を回避するため」です。

 この際の危険とは、踏切を横断する人やクルマがあるかもしれないということです。踏切待ちする人からは、手前の線路を通過する列車があると、その奥側(反対側)の線路を通過する列車は、手前を通過する列車の影になり視認できません。遮断機をくぐり無理に横断するのは言語道断ですが、手前の列車が通過したから安全だと思い込むせっかちな人もいるのです。対向列車は最悪のケースを想定し、自車の接近を知らせるべく警笛を鳴らすのです。

 相手が列車の接近を視認できない、もしくは困難である場面において列車が警笛を鳴らすケースはほかにもあります。

 例えば、ある程度の長さ以上のトンネルや橋に差し掛かる時です。非常口などを除けば、これらの構造物には逃げ場が出入口しかありません。あらかじめ列車の接近を知らせることは重要といえます。

 ほかにも工事などで保線作業員が線路脇にいる時、標識により警笛吹鳴が義務付けられている地点、そしてファンサービスも挙げられます。子どもが出発する列車に手を振っていて、それに応えた運転士が警笛を鳴らす光景は微笑ましいものです。

【了】

【また撮り鉄か…】いたずらもされた“警笛カバー”とは(写真)

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