鉄道新線「川崎アプローチ線」計画が復活? 東海道貨物線の旅客化も 臨海部の巨大開発で

「川崎アプローチ線」と「東海道貨物支線の貨客併用化」どんな事業?

「川崎アプローチ線」は、JR川崎駅とJR川崎新町駅の間に新線を建設することで、南武支線を川崎駅まで乗り入れさせる構想です。南武支線の川崎新町~浜川崎間の改良も行い、川崎駅と浜川崎駅を直結します。これは1971年に廃止された貨物線を復活させるプロジェクトですが、現在は跡地に住宅や公共施設などが立ち並んでいる状態です。

「東海道貨物支線貨客併用化」は、品川、東京テレポートから天空橋、浜川崎を経由し、桜木町に至るルートを検討しています。総延長は約33キロにおよび、そのうち約18キロは既存の貨物線を利用。浜川崎付近から横浜山内ふ頭地区付近まで、川崎市の臨海部を横断する形で約15キロの新線を整備することを検討しています。

 神奈川県などで構成する「神奈川県鉄道輸送力増強促進会議」は2022年、JR東日本に「南武支線の川崎駅への乗り入れ」や「東海道貨物支線の貨客併用化の実現」を要望しています。
 
 要望に対しJR東日本は、南武支線の川崎乗入れに関して「新規の大規模な設備投資を要するほか、南武線(川崎~立川間)の列車の運行に多大な影響が出ること、および需要見込みなどが不透明であることから現時点では計画はありませんが、関係自治体の沿線整備計画と連携し、検討を進めてまいりたい」と回答しています。
 
 東海道貨物支線の貨客併用化に関しては「京浜臨海部における具体的な開発計画や、東海道方面の将来需要動向、当該地区の開発状況等を総合的に判断し、長期的に検討する必要があると考えております」としています。

 臨海部の開発が動き出したことで、今後、交通インフラの整備に関する検討が加速するとみられます。これまであまり動きが見られなかった「川崎アプローチ線」や「東海道貨物支線貨客併用化」ですが、沿線開発を契機に検討が本格化する可能性もあるでしょう。

【了】

どこ通る?「川崎アプローチ線」のルート図

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