幸運艦ゆえ? “戦後”も生き延びた「旧日本海軍の軍艦」3選 想像だにしなかった余生 現存艦も

日旧海軍屈指の強運艦として台湾海軍でも働いた駆逐艦「雪風」

 1939(昭和14)年の3月24日に進水した「雪風」は、戦時中にアメリカを相手にした主要な数々の海戦に参加するも大きな損害を受けず、戦いぬいた駆逐艦です。

 初陣は1941(昭和16)年12月、フィリピン中部のレガスピー攻略の上陸作戦支援でした。その後、インドネシア、ミッドウェー、南太平洋、ガダルカナル、マリアナ、レイテと各地で戦火を交え、1945(昭和20)年4月7日戦艦「大和」の海上特攻にも参加、ここでも他の沈没艦艇の生存者を収容して生き延びます。

 終戦になると、ほぼ無傷だった「雪風」は復員船として太平洋各地の島に散らばった復員兵の収容に向かいます。このとき、片腕は失ったものの幸運にも生き延びた、後に『ゲゲゲの鬼太郎』などを生み出す漫画家・水木しげるさんもラバウルで収容しています。

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駆逐艦「雪風」(画像:アメリカ海軍)。

 復員船としての任務終了後は、戦争賠償艦として当時の中華民国に引き渡されます。名を「丹陽(タンヤン)」に改めたのち、中華人民共和国と中華民国との国共内戦に参加。1959(昭和34)年8月3日には中国人民解放海軍艦艇2隻と交戦し、1隻を撃沈しています。

 1965(昭和40)年12月16日に退役し、一時は里帰りの可能性も噂されていましたが結局、解体され、1971(昭和46)年12月8日に舵輪と錨が日本に返還されました。

【ボロボロじゃないか】終戦直後にアメリカ軍に撮影された「長門」ほか(写真)

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コメント

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1件のコメント

  1. おじかがない…