「弾道ミサイルじゃないんですが…」北朝鮮の“ロケット”発射が平和利用でもダメな理由 他国はOKでも

北朝鮮の弾道ミサイル発射がダメな理由

 そして、この国連安保理における決定は、国連加盟国を法的に拘束します。これについて定めている国連憲章25条には、次のように明記されています。

「国際連合加盟国は、安全保障理事会の決定をこの憲章に従って受諾し且つ履行することに同意する」

 そのため、仮に自国が他国と結んでいる条約が、安保理決議の内容に抵触するようなことがあった場合、国連安保理の決議が優先され、こちらの遵守が求められます。憲章103条には次のように明記されています。

「国際連合加盟国のこの憲章に基く義務と他のいずれかの国際協定に基く義務とが抵触するときは、この憲章に基く義務が優先する。」

 つまり、国連加盟国は、安保理の決定に従わなければならないのです。

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2023年11月22日、ロケット打ち上げを祝う北朝鮮の金 正恩総書記と、同国の技術者たち(画像:朝鮮中央通信)。

 北朝鮮も1991(平成3)年に国連へ加盟しています。ということは、弾道ミサイルの発射を禁じることを決定する国連安保理決議が出ているのならば、これが法的に効力を発揮している以上、北朝鮮にも従う義務があるという理屈です。

 では、なぜ国連安保理において北朝鮮の弾道ミサイル発射が禁じられているのか。それについては、まず北朝鮮の弾道ミサイルは核兵器を含む大量破壊兵器の運搬手段として開発が進められている点があげられます。そして、これら大量破壊兵器のみならず、その運搬手段である弾道ミサイルの拡散は、国際社会にとって重大な脅威です。

 北朝鮮は、1990年代から長射程の弾道ミサイル発射実験を本格化させ、さらに2000年代に入ってからは核実験まで実施しています。こうした動きに対して、韓国や日本といった周辺諸国をはじめ、国際社会は一連の行為を地域(東アジア)内外の緊張を高める行為だとして、累次の国連安保理決議を通じて、これを国際社会の平和及び安全に対する脅威と認定しているわけです。

【ロゴマークも描いてる!】これが北朝鮮の衛星コントロールセンターの内部です(写真)

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