あれ自衛艦? 能登へ災害派遣された「白いフェリー」の正体 ますます重要になる“海の助っ人”

民間船ならではの設備だから災害派遣にも有用

 このように、すでに約7年もの実績がある高速マリン・トランスポートとのPFI事業契約。防衛省ではどのようにとらえているのか、当該部署へ聞いてみたところ「PFI船舶の導入により、民間船舶の調達・維持・管理を効率的・効果的に行うことができ、国による業務負担が軽減されたとともに、長期間にわたって、安定的に海上輸送力を確保することができた」との回答でした。

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防衛省のチャーター船「ナッチャンWorld」。写真は2019年に横浜港へ来航した際のもの(画像:国土交通省関東地方整備局)。

 たしかに「はくおう」は、内装にこだわりを持つ新日本海フェリーが整備した客室やレストラン、大浴場などの船内設備をそのまま使えるという点が大きなメリットだといえるでしょう。実際、2016年の熊本地震ではホテルシップとして活用されたほか、2020年2月には横浜港の本牧ふ頭に接岸し、船内で新型コロナウイルスの集団感染が発生したクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」への対応に当たる自衛隊員の活動拠点にもなっています。

 防衛省は「2016年3月から2025年12月末までの事業期間において、さらなるPFI船舶を導入する予定はない」としながら、「次期契約については、防衛力整備計画において、海上輸送力を補完するため、車両とコンテナの大量輸送に特化したPFI船舶を確保するとしていることも踏まえ、自衛隊の輸送力と連携した大規模輸送を効率的に実施できるよう具体的な検討に取り組んでいく」としています。

 なお、2024年度の防衛省予算案では「民間船舶を活用した輸送体制に空白を生じさせないよう、新たに2隻のPFI船舶を確保」することが明記され、費用として305億円が計上されました。

【広~い浴室も完備!】これがフェリー「はくおう」の船内です(写真)

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コメント

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2件のコメント

  1. 相生に繋いでたのが無くなってた。
    頑張れ!

  2. 桟橋が整備されていない港湾では車両甲板がもったいないのでトレーラーハウスかコンテナハウスを並べたらどうだろう