「ななつ星」活用 JR九州が「鉄道力」で都心に卵屋出店

JR九州のグループ会社が都心の一等地に卵屋を出店しました。なぜそこでJRが卵を売るのでしょうか。これには豪華クルーズトレイン「ななつ星」も関係していそうです。

頭打ちの鉄道事業

 2014年7月15日(火)、JR九州フードサービスは東京・赤坂Bizタワーに「うちのたまご直売所3号店」をオープンしました。JR九州グループの同社は鶏卵生産に取り組んでおり、博多、羽田空港に続き都心の赤坂が3店舗目です。

 この店舗では鶏卵やそれを使用したケーキの持ち帰り販売のほか飲スペースも備えられ、「たまごかけごはん」550円、「たまご丼」580円、「親子丼」780円などを味わうこともできます(価格は税込み)。お昼には弁当の販売も行われるそうです。

赤坂の店舗イメージ図。赤坂には同じJR九州フードサービスが運営する飲食店「うまや」もある。

 また同店の内装、卵のパッケージはJR九州の車両、建物を数多くデザインし、豪華クルーズトレイン「ななつ星in九州」のデザイナーとしても知られる水戸岡鋭治氏が担当。鉄道ファンの世界では「水戸岡デザイン」と呼ばれている同氏独得の空間に、東京でも手軽に触れられます。

 さてJR九州に限らず鉄道会社は近年、こうした事業多角化に注力しています。

 JR九州の鉄道事業は149億円の赤字です(2014年3月期)。30億円の製造費が投じられ2013年10月に登場した豪華クルーズトレイン「ななつ星in九州」も、いくら利用料金が高額とはいえ1回に乗車できる人数は28名ほど。年間を通し満室だとしても売上は5億円程度のため、人件費その他の運行経費を考えると赤字です。

 しかし同社は2014年3月期の連結決算において3,548億円の売上高、90億円の営業利益、115億円の当期利益を出しています。鉄道の赤字をマンションや駅ビルなどの不動産事業、コンビニ等の小売り事業などで補っているからです。

 今後の少子高齢化を考えると、乗客増加を図るのは簡単ではありません。そのため鉄道会社は関連事業の拡大、多角化に活路を見いだそうとしています。

 そうした方向性で鉄道会社が事業を多角化する現在、JR九州による「鉄道の持つ力」の活用は注目に値します。

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