インフレ 国鉄の赤字 運賃で見る新幹線50年

東海道新幹線が開業してから高度経済成長や国鉄の赤字問題、税制改革など、その50年には様々なことがありました。新幹線の運賃・料金の面からその50年を追うと、ある「相場」が浮かんできます。

月給の7%だった新幹線

 2014年10月1日で、新幹線は開業50周年を迎えました。所要時間は当初の最短4時間から、現在では2時間25分へと大きく短縮。ではその運賃・料金についてはどう変化したのでしょうか。各時代の「1人あたり月間現金給与額」と比較しながら眺めたところ、様々な歴史とある「相場」が浮かんできました。比較は通常期に東京~新大阪間で、その時代の最速列車(1991年までは「ひかり」、1992年からは「のぞみ」)の普通車指定席を利用した場合を基準にします。

 1964(昭和39)年に東海道新幹線が開業した際、東京~新大阪間の運賃(乗車券代)は1180円。「ひかり」へ乗る場合はそれに1300円の特急料金が必要になり、合計2480円です。当時、新幹線車内のコーヒーは一杯50円で、東京~大阪間の航空運賃は6000円など。航空機は一般庶民にとって高嶺の花でした。

 ちなみに東海道新幹線の列車は、「ひかり」と「こだま」の2種類でスタート。停車の少ない「ひかり」は「超特急」、各駅停車の「こだま」は「特急」という形に分けられ、列車の案内も「超特急ひかり1号」「特急こだま101号」というように行われていました。

当初は「超特急」と呼ばれていた「ひかり」。

 開業翌年の1965(昭和40)年、東京~新大阪間の所要時間が4時間から3時間10分に短縮。これに伴い特急料金が1600円にアップ。合計2780円になりました。

 ただこれは、暫定ダイヤで4時間を要していた開業当初は特急料金を少し安い1300円にしていたためで、3時間10分の本運転開始と同時に元々予定していた1600円にした、という形。「値上げ」という表現は適切ではないでしょう。

 そのためこの本運転開始時、1965(昭和40)年の2780円というのが、新幹線の運賃・料金におけるひとつの基準になります。この当時、「1人あたり月間現金給与額」は39400円。新幹線の運賃・料金はその7%を占めていました。

※記載する「1人あたり月間現金給与額」は30人以上の事業所における税などを差し引く前の総額で、100円未満を省略した値。厚生労働省「労働統計要覧」などによる。

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