規制だけではダメ? 商用利用へ足を踏み出すドローン先進国アメリカ

法整備が課題になっているドローン。アメリカでもホワイトハウスに墜落するなど問題になっていますが、あわせてアメリカではドローンの経済効果に注目。2015年5月、FAA(アメリカ連邦航空局)のマイケル・フエルタ長官はその商用利用へ向け、さらに一歩踏み出した実証実験を行うことを明らかにしました。

ポイントは「有視界内」 アマゾンのドローンも許可

 首相官邸の屋上に落下したことで、最近にわかにブームとなっているのが、ドローンです。

 ドローンとは、小型の無人飛行体の俗称です。形態にはふたつあり、飛行機のような固定翼型、さらにヘリコプターのような回転翼型があります。2000年代後半に、ヨーロッパやアメリカで複数の回転翼があるマルチローター式が普及し始めたことで、一般的にドローンに対する関心が高まってきました。

 その後、世界各地でドローンの普及が一気に進みました。利用の目的としては、ホビーとしてはもとより、農地での作物の監視、鉱業地での地形の計測、さらに観光地やスポーツイベントでのテレビ撮影など、多岐に渡ります。

 こうして一気に普及が進むドローンですが、これまで法的な規制がほとんどなく、誰でもどこでも自由に飛行させることが許されてきました。そうしたなか、昨年はアメリカ・ワシントンDCのホワイトハウスに、さらに日本では首相官邸に着陸する事件が発生したのです。

2015年5月始め、アメリカ・アトランタで世界最大級の無人飛行体イベント「AUVSI’s Unmanned Systems 2015」が開催された(2015年5月、桃田健史撮影)

 こうしたなか、米欧を中心としてドローンに対する法整備の動きが活発になってきました。アメリカの連邦航空局(FAA)と欧州委員会(EC)は2013年に、遠隔操作型の飛行体に関する法整備のロードマップを公表。これらをベースとして今年2015年2月、FAAはドローンの機体仕様と飛行空域に関するガイドラインを発表しています。

 それによると、機体の重量は55ポンド(約25kg)以下、最高速度は時速100マイル(約160km)以下。最高飛行高度は地上から500フィート(約152m)で、有人のコントロールタワーがある飛行場から半径5海里(約9km)以上離れた空域としました。

 なお、飛行条件については操縦者、または飛行用のソフトウエアで飛行軌跡をプログラミングした者の有視界内、と限定しています。つまり、肉眼でドローンの飛行状態が確認できる空域内のみということです。

 さらにFAAは2015年3月、アマゾンの物流部門であるアマゾン・ロジスティックス社に対して、同社が2013年12月にYouTube上で発表した、回転翼型ドローンによる小口荷物配送システム「プライムエア」について、有視界内での実験飛行を許可しました。

 このほか、グーグルは固定翼と回転翼を融合させた小口配送システム「プロジェクトウイング」の飛行実験を、オーストラリアのクイーンズ州内で続けています。

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