バスにUSB、当たり前に? なぜUSBが車内充電に適しているのか

近年、バス車内でも携帯端末を想定した充電設備が普及し始めています。特にUSBタイプは今後、広く導入されていくかもしれません。コンセントタイプより、「バス車内」という環境に適していると考えられるからです。

色々なものを接続できる、のはデメリット?

 近年、スマートフォンやタブレットの普及に伴って、バス車内でも携帯端末の使用機会が増えています。充電の需要も大きくなっており、座席に充電設備を設置しサービス向上を図る事業者も増えてきました。

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バスの座席に設置されている充電用のUSBポート(写真出典:レシップホールディングス)。

 ただそうした充電設備として、コンセントが用意されている場合と、USBポートが用意されている場合があります。コンセントは様々な充電機器を使用できる、USBはケーブルだけで充電できるといったメリットがありますが、実はそれ以外にも違いがあるようです。

 そうした機器の開発に関わっているレシップホールディングスは、次のように話します。

「コンセントでは1.5kVA程度のインバータを使い、直流を交流に変換して、各コンセントへ電気を供給しなくてはなりません。また交流は直流と比べノイズの心配があります。そして家庭と同じコンセントでは高負荷の機器を接続されてしまう可能性がありますが、USBであればその心配を回避できる、というメリットがあります」

 コンセントが設置されていれば、家庭内で使用している電化製品はひと通り使えると思うかもしれませんが、安全性や電気の容量的に使える機器は限られています。もちろん「マナー」の問題もあります。そのため、バス車内に搭載する充電設備はUSBポートで充分であり、そのほうがむしろ適している、という考え方もできるのです。

 先出のレシップホールディングスは今後、観光バスや高速バス、路線バスでこうした充電設備の普及が進むと見込んでいるとのこと。「バス座席にUSB」が当たり前の時代が近い将来、やって来るかもしれません。

【了】

Writer: 海老塚 土史木(バス交通文化愛好家)

幼少期にバスの方向幕へ興味を持ってから、バス部品収集、乗りバス、撮りバスなどに明け暮れる。鉄道模型収集や、鉄道・バス車両の第二の車生めぐりを絡めた旧道探索も趣味。鉄道模型雑誌の編集部でバス企画の編集を経験して以降、記事執筆やバス貸切企画、座談会などを通してバス趣味の楽しさを共有する活動を行っている。

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コメント

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5件のコメント

  1. 私は睡眠時無呼吸症候群の為、寝る時には必ずCPAPという医療機器をつけなければなりません。USB電源しかない夜行バスや飛行機、電車では就寝できないため、USBだけになると旅行が制限されるので逆に困ります。

  2. CPAPは何W程度でしょうか?確率は低いですが60W程度が数人が同じバスに乗り合わせると、容量オーバーになりかねません。また、バス会社も無停電を保証していませんので医療機器に使うのはお勧めしません。
    重くて不便かとは思いますが、バッテリータイプの使用をお勧めします。

  3. 日本ローカルの100VACのコンセントよりも、海外から来訪される方々にも良いかもしれない。

  4. スペイン在住です。市内バスはともかく最近は近距離や中距離、長距離のバスでUSBのみならず飛行機国際線のような一人一人に割り当てられたモニターをよく見かけるようになってきました。スカイプやe-bookもありますが音楽や映画、ドラマといったものがメインです。コンテンツの多さにも驚きですよ

  5. ノートパソコンの使用を考えると、USB差込口では困るかと思います。寝るだけの夜行バスや狭い4列シートのバスならばノートパソコンの使用は少ないかもしれませんが、アメリカの長距離バス(グレイハウンド)にはコンセントの差込口がありました。
    新幹線やJR特急ならばコンセントの差込口は、最低2席に1か所できれば全ての席に欲しいです。欧米の長距離列車にはたいがい存在しましたから、その点JRは遅れていると思います。