秒速の「まわし取り」 新幹線車内清掃、窓の向こうで駆使される早業

「機動班」の編成も 約8分で16両、1323席を清掃

 JR東海によると、東京駅での車内清掃時間は、乗客の降車時間を含めて12分、実作業は約8分が標準。その短い時間に、1編成16両の列車につき車内班43人、下回り班12人、まとめ役1人の合計56人のチームワークによって、次のような手順で清掃作業が行われています。「車内班」は車内の清掃、「下回り班」は車両への給水や集めたゴミの処理などの担当です。

(1)到着する新幹線の出迎え。
(2)ゴミの回収、座席の向きの転換。
(3)座席の「モタレ」(頭の部分にある白い布)の交換。
(4)座席の肘掛け、窓枠を清掃し、下りているブラインドを戻す。
(5)座席を、ぬれを検知できるセンサー付きのホウキを使って清掃。
(6)荷物棚の点検(忘れ物や汚れの確認)。
(7)掃き掃除やモップ掛けなどによる客室とデッキ(乗降口)の清掃。

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東海道新幹線の車内清掃では、座席の頭部分にある白い布(モタレ)も交換される(2016年7月、恵 知仁撮影)。

 東海道新幹線では、その56人のチームが7組の体制で東京駅での車内清掃を実施しており、列車の本数が増える繁忙期には「機動班」を1組増やすこともあるとのこと。1チームあたり、普段は1日に15本、繁忙期は機動班を増やしていても、1日に18本ほどの列車を清掃するそうです。ちなみに東海道新幹線の旅客列車はすべて16両編成で、1323席あります。

 またこの車内清掃では、「まわし取り」という技が駆使されています。JR東海は2016年7月23日(土)と24日(日)に、新幹線車両の整備などを行う浜松工場の一般公開イベント「新幹線なるほど発見デー」を開催。そこで車内清掃の実演と体験を初めて実施し、「まわし取り」を披露しました。

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コメント

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1件のコメント

  1. 自動で回る様にすればアルバイトの神業も不要ですね