飾り? 設計ミス? 分岐してすぐ終わる線路、その意味は

駅の端から線路を見ると、合流ポイントの手前で分岐した線路がたった数m先で終わっている場所が。この短い線路は飾りや設計ミスではなく、しっかりとした役割があります。

たった数mの線路が持つ役割とは

 ホームの端に立って線路を見ると、合流するポイントの手前で外側に分岐した線路がたった数mで終わっている場所があります。設計ミスや飾りのようにも思えてきますが、そうではありません。将来の新線建設を見越して前もって造ってあるわけでもありません。この短い線路は、列車を“あえて”脱線させるための設備「安全側線」といいます。

線路が合流するところに設置されている場合がある「安全側線」(2016年11月、太田幸宏撮影)。

 しかし、脱線させるのに「安全」とはどういうことなのでしょうか。

 そもそも「安全側線」は、ブレーキ故障や信号の見落としなど、何らかの原因により列車が所定の位置に止まりきらなかったり、駅から発車してしまったりした場合に、列車がこの短い線路に進入して脱線するというものです。

 この設備は線路1本(単線)の路線において列車の行き違いができる駅に設置されている場合が多いほか、列車が駅以外の場所でもすれ違える線路2本の複線でも、追い越しができる駅や車両基地が設けられている場所のポイントなどに設置されている場合があります。

「安全側線」は「誤って進み続ける列車が対向列車と接触、衝突して大事故になるよりは、列車を未然に、意図的に脱線させたほうが、まだ安全」という考え方に基づいた設備であり、起きてしまった事故の被害を最小限に抑えるという役割を持っています。

 ただし日本でこの「安全側線」が生まれたのは戦前のこと。現在では、性能の高い保安装置が導入されている路線が増えていることや、敷地の都合などから、「安全側線」が省略されている場合もあります。

【了】

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コメント

1件のコメント

  1. 2015年12月31日にJR四国高徳線(オレンジタウン駅)で脱線事故が起きていましたね。この事故は、赤信号のまま発車、本線に入ろうとしたために、安全側線で脱線させる仕組みが働いたようです。

    事故は無いに越したことはありませんが、このように二重に、三重に(大惨事になる前に)事前に防ぐシステムがあることで、今日も安全に列車に乗ることができます。