F-15をロケットブースター化? 対弾道ミサイル、かつて検討されたとある有効活用案

発射台や船にはない強みとは?

 ALHTKは航空自衛隊も配備する地上発射型弾道弾迎撃ミサイルPAC-3を原型とし、計画ではF-15の主翼下に合計2発携行するというものでした。

 F-15にALHTKを搭載するメリットは地上配備の地対空ミサイルやイージス艦と異なり、高い機動性で瞬時に展開可能だということです。地上や海上を移動するPAC-3発射台やイージス艦などは、1000km先に展開するにはどう頑張っても丸1日以上を必要としますが、F-15ならばわずか1時間、ほとんど瞬時に展開することができます。

 したがって、F-15とALHTKはPAC-3やイージス艦では不可能な弾道ミサイルのブースト段階(上昇)に対する攻撃が可能であり、これは航空自衛隊にはない能力です。

 昨今、北朝鮮のミサイル問題において敵基地攻撃論が議論されていますが、実際問題、敵基地攻撃はミサイル発射前にミサイルランチャーを発見することが不可能に近いため、まったく現実的ではありません。しかし発射後のミサイルを発見することは比較的容易です。

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コメント

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4件のコメント

  1. 確かに強度面や重量面、それに上昇力といったカタログデータ上では可能かもしれないが、対弾道ミサイル専用の火器管制装置、地上レーダーとの専用データリンクシステムを追加で開発、装備しなければならず、また、ミサイルとの空力的適合試験も行う必要があるため、その分余計な時間と予算がかかる。また、対弾道ミサイルを運用可能な改修を実施した機体(配備数は予備機、稼働率を考慮し、最低限3基地各4機、可能なら5基地各6機ほかに教育、訓練所要として6機前後、よって最低でも18機以上40機以内)は、弾道弾迎撃任務に専念させる必要上、通常の迎撃任務のための戦闘機自体を増やす必要がある。また、現状では、任務に適合する機体はF-15しかなく、もしF-15が退役したらそのミサイルも退役せざるを得ない(F-35の場合単独改修は極めて困難。最低でも日米協同開発の必要あり)。むしろ、この分野は戦闘機よりも多数のミサイル搭載と長時間の滞空時間、より充実した通信能力やセンサーによる探知能力が期待できる大型機(大きさはP-3クラス)改装による常時滞空警戒のほうが現実的かもしれないし(3か所の基地に最低3機配備、教育、訓練所要の4機含め最低13機、最大でも20機前後で済む)、将来的には無人機に任せるべき分野かもしれない。大型機や無人機には空戦能力がないという欠点があるが、どのみち弾道弾迎撃ミサイル搭載時、あるいは迎撃任務中の戦闘機との空戦は不能なため、あまり重視しなくてもよい。

  2. F15はそんなに昔の機種なんだ!何か少し老骨が現役で働くのは励みになるな、ロケットが飛ぶ理屈なんて漫才のネタみたいに観衆に期待されてオマケにケツに点火されたら飛ぶしかない?くらいに全く無知だが、使える所は使って行くのが戦の心得なのだろうか?

  3. イーグルで発射する衛星破壊ミサイルはトム・クランシーの小説に出てたっけ。
    なにもかも懐かしい冷戦時代だ。

  4. へー、日本も衛星破壊実験やってたんだ
    中国がデブリばら撒いてたのをアホかと思って見てたけど、こりゃあ人の事言えないわ