海にせり出す直角コの字形の仮橋 西日本豪雨で被災の国道、復旧急いだ理由は「カニ」

もっと緩やかな形にならなかったのか… 復旧急いだワケ

――クランクが連続するコの字型にせず、もう少し緩やかな形状にする方法はなかったのでしょうか?

 クランクになったのは、規格品を使用したからです。地形に合わせてオーダーメイドで設計したのでは間に合わないことから、早く通すことを優先しました。橋脚の施工も、穴を掘りながら鋼管を挿入していくなど、時間短縮のため特殊な工法が採られています。

――復旧を急いだ理由はあるのでしょうか、

 生活、観光面で重要であるうえに、沿道自治体などからも、11月6日(火)の越前ガニ漁の解禁前に開通してほしいと要望いただいていました。

――今後はどのように復旧していくのでしょうか?

 土砂がさらに崩れてこないよう、のり面の対策してから土砂を撤去し、本線の復旧に取り掛かります。2019年度末までに本復旧の予定です。

Large 181031 karihashi 02
崖の上のほうから崩れた大量の土砂が道路をふさいだ(画像:越前町観光連盟)。

※ ※ ※

 この道路の開通を待ち望んでいたのが、福井市の南側に隣接する越前町。越前ガニが冬の名物である越前町では、国道305号沿いに旅館や海産物店が数多く存在します。

 越前町観光連盟の職員によると、この国道は県北部の観光地として有名な東尋坊と越前町を行き来する人も多い道だといいます。このため、同町ではウェブサイトで東尋坊から山側に迂回するルートを案内していました。国道305号が不通のままだと、東尋坊付近で宿泊するなどして、越前町へ足を運んでもらえなくなるのではないかという思いもあったそうです。

【了】

この記事の画像をもっと見る(4枚)

最新記事

コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。