バスをグッと幅寄せできる「縁石」開発 「タイヤ当ててOK」乗降口の隙間ミリ単位に

「ピッタリ停車」、バリアフリー化だけでないメリットも

――タイヤメーカーである御社がなぜ縁石を開発したのでしょうか?

 当社は、横浜国立大学の「交通と都市研究室」とともに2015年から、縁石にタイヤを一部接触させながらバスを停車させることを目的としたタイヤの共同開発を行ってきたのですが、通常の縁石ではタイヤ側面の摩耗が激しく、縁石自体の改良も必要ということになりました。そこで、このような「正着縁石」の研究を行っていた公益財団法人 日本交通計画協会に2016年から参加いただき、共同研究を進めて完成したのが今回の縁石です。

※ ※ ※

「バリアレス縁石」はすでに、日本交通計画協会が開発した小型ノンステップバス(乗降口付近に段差のないバス)の停車を想定したものが新潟市で2017年に実用化されています。今回、岡山で採用されたものは、大型バスにも対応しているのが特徴とのこと。共同研究に関わる各者の知見を集大成したものだといいます。

 縁石にタイヤを一部接触させながらバスを停車させることは、すでに海外の一部地域で行われており、車両の仕様を変更することなく乗降口の隙間を縮められることから、日本だけでなく世界中で導入が検討されているそうです。横浜国立大学の中村文彦教授によると、バリアフリー化はもちろん、スムーズな乗降の実現によってバスの停車時間を短縮させることにもつながり、結果として表定速度(停車時間を含めた平均速度)の向上に寄与するそうです。

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岡山市内で採用された「バス停バリアレス縁石」。進行方向に溝が連続的に彫り込まれている(画像:ブリヂストン)。

 ブリヂストンによると、今回の縁石であれば、通常のタイヤでも側面を接触させることができるといいますが、同社ではさらに耐久性と安全性と高めたタイヤも開発中です。今後、縁石とタイヤを組み合わせた「バリアレス化システム」として様々な場所に展開するとしています。

【了】

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コメント

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5件のコメント

  1. 違法駐車や交通ルールも理解できない自転車が居なければ有効でしょうかなにか?

  2. 自転車がバス停を走れないように溝を入れたらいいのに。

  3. 全く同じものをハンブルクで見たことがあります。そして2連接バスを縁石ミリ単位で寄せて止めるハンブルク交通局HVVのバス運転手の運転技術に関心してました。
    そして車いすの人や杖をついたひとが介助なく乗り降りできることにも。
    日本でも導入されたのはうれしいところ。あとはバスの床と歩道の高さが合うかどうかですね。

  4. これを何故もっと早くやれなかったのか?

  5. 良いアイディアだが総重量15tに迫るようなノンステバスの軸重許容と前後各々のトレッドの違いとか大丈夫なんかね?
    最初にハブベアリングが悲鳴をあげるような気がせんでもないが?